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復活金本で大逆転!巨人に再び0.5差

 7回、マートンは中越え2ランを放ち、金本(右)らナインに祝福される(撮影・西岡 正)

 「ヤクルト4‐11阪神」(18日、神宮)

 阪神がおなじみの逆転勝ち!横浜にサヨナラ負けを喫した首位・巨人に0・5差と迫った。2点を追う七回に一挙6点。打線に息吹を与えたのは、先発左翼復帰3試合目の金本知憲外野手(42)だ。七回無死一塁から右中間二塁打。好機を拡大させ、ビッグイニングへとつなげた。アニキが復活して、今季最多タイ貯金11。19日にも奪首だ!!

  ◇  ◇

 42歳の反骨心が怒濤(どとう)の逆転劇を呼びこんだ。目慣らしは1打席で十分。そう言わんばかりに、剛腕を打ち砕いた。2点を追う七回。金本が特大二塁打を放ち、ビッグイニングの口火を切った。芯に乗せたのは由規の152キロ。外の速球に腕を伸ばした打球がジャンプした青木のグラブをかすめ、右中間フェンスを直撃した。初回2死満塁の好機で低めの156キロに三振を喫した汚名を返上。6番の快音が号砲となり、終盤までつながりを欠いた虎の強力打線が、一気に火を噴いた。

 「大きい。大きい」。真弓監督は試合後、逆転の起点となった金本の一打を真っ先に勝因に挙げた。四回にも16打席ぶりの安打を詰まりながら右前に運び、今季7度目のマルチ安打を記録。450号を放った6月27日のヤクルト戦(神宮)以来、24打席ぶりとなる金本の長打が、歴代8位の川上哲治氏と並ぶプロ通算408本目の二塁打となり、自身の「復活」に花を添えた。

 志願出場だった。宿舎出発前、山脇守備走塁コーチから「きょうは様子を見るか?」とベンチスタートを打診されたが、「いえ、大丈夫です。いけます」と即答した。先発復帰から3戦目。まだ100%に達しない右肩の状態を案ずる周囲の声は理解するが、金本は1492試合代役を立てず試合出場を続けた、これ以上ない経験値を根拠に、この日の先発出場を「当然」と考えていた。

 「2試合ヒットが出ていなかったし、出たかったんじゃないか」。山脇コーチは主砲の心情を推し量ったが、自らの意欲で復帰を早めた以上、金本も「責任」は重々自覚している。

 前夜は約束していた知人との食事時間を遅らせ、ホテルの自室で懸命にバットを振った。復帰後の2試合を無安打で終えた。「何のために復帰したんやと言われてしまう」。自らの任務を自覚するからこそ、打席で「結果」を誇示する必要があった。注目の守備機会は2度。七回は青木の左翼越えの打球を処理し、カットマンの鳥谷にワンバウンドで返球した。ベンチに戻った後、首脳陣に「もう少し投げられたと思います」と、復帰後初の本格的な返球を振り返った。

 「巨人は明日、どこと対戦?」。試合後、バスへ向かう金本が報道陣へ唯一発したのは、この一言。「ヤクルトか…」。最下位横浜に逆転敗戦を喫した宿敵の背中を再びとらえた。「まだオールスター前。ゲーム差を気にする段階ではない。これからよ」。0・5差に詰め寄っても、まだ「先」は見ない。先発復帰後、初めて勝利に貢献した充足感に一晩だけ浸る。勝負の秋を見据え、主砲金本が阪神に帰ってきた。

(2010年7月18日)

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