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阪神・金本知憲外野手(42)が、16日のヤクルト戦で「6番左翼」で先発復帰する。15日は先発復帰が決まっていた巨人戦(甲子園)が、雨天中止となり「記念の舞台」は神宮球場へ移された。4月18日に連続試合フルイニング出場が途絶えてから90日。首脳陣は、しばらくは途中交代を視野に入れた起用を続ける意向だが、金本はあくまで連続試合フルイニング出場の復活を目指し、新たなスタートをきる。
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「復活」の舞台は神宮へ持ち越された。午後5時10分、豪雨のため、2夜連続で巨人戦の中止が決定。「6番レフト」で先発出場の決まっていた金本は、雨音を鼓膜に響かせながら、気持ちを次戦に切り替えた。
真弓監督は、仕切り直しで先発復帰を果たす金本の起用法について「最初からフルイニングとは考えていない」と途中交代を視野に入れた起用になることを明言。山脇守備走塁コーチも「きょう何も(アクシデントが)なければ、明日も(先発の予定)」としながら、出場イニングについては「途中でも代える。毎日は無理やから。(先発は)流動的になるのかな」とあくまで無理をさせない方向性を示唆した。
この日は約40〜50メートルの距離で1球1球、指のかかりを確認しながら、力を込めたキャッチボールを行った。外野ノックに移ると、両手を挙げノッカーに実戦を意識した打球をリクエスト。来るべき時を迎えた金本のオーラは、雨雲を押し上げる活気に満ちていた。
「再発が一番怖い。後半の大事なときにカネが戻って来れなくなるのが一番困るから」。木戸ヘッドが懸念するように、最初から出場回数を伸ばすことは、致命傷を負うリスクを抱えることにもなる。秋のヤマ場を見据えれば、金本「温存」が賢明な場面も出てくるかもしれない。
だが、金本の目指すところは、あくまでフルイニング出場での再出発だ。首脳陣に配慮を促す「制限出場」は本意ではない。「肩?全然ダメ。おれのことはそっとしておいてよ。このチームは城島と新井のチームなんだから」。額の汗をぬぐいながらクラブハウスに消えた金本。そんなネガティブなジョークとは裏腹に、鉄人の笑顔が輝きを増してきた。
6番左翼は99年7月22日の阪神戦以来、11年ぶり。金本がクリンアップの後に控える超強力打線の完成で、首位巨人の追撃態勢は整った。
4月18日に途絶えた連続試合フルイニング出場の世界記録が色あせることはない。だが、金本の視界がとらえるのは、あくまでその「続き」だ。今季唯一の失策が記録された4月17日、横浜の悪夢から90日。本塁返球をグラウンドにたたきつけた「過去」を乗り越え、金本が再び代役の要らない「鉄人道」を歩み出す。
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