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金本450号!痛みに耐え代打弾!(2010年6月28日)

 8回、代打金本は右越えに通算450号となる2ランを放ち花束を手に声援に応える(撮影・山口 登)

 「ヤクルト8-4阪神」(27日、神宮)

 阪神・金本知憲外野手(42)が八回、右翼への8号2ランで通算450号本塁打を達成。プロ13人目、史上最年長での到達に敗戦の虎ファンだけでなく神宮球場全体から祝福の拍手が送られた。チームは約1カ月ぶりの連敗となったが、われらがアニキのバットは健在。首位巨人追撃へこれからも頼んだデ〜。

  ◇  ◇

 真っ先に口をついたのは、24時間前の懺悔(ざんげ)だった。「昨日打つべきだった。あの場面で…」。たどり着いた節目より目先の欲求が頭から離れない。1死満塁で三振を喫した前日七回の打席を引きずりながらベンチで出番を待った。代打のコールは八回2死一塁。4点劣勢をはね返すべく、虎の主砲が白木のバットに手を伸ばした。

 カウント2‐2からの5球目。外寄り高めに浮いた直球に反応した。高く構えたフォームから、高速スイングを振り下ろす。インパクトの直後が築き上げた技術の真骨頂。右利きの金本が「こだわり続ける」左腕の押し込みが、舞い上がった打球に勢いをつける。神宮の曇り空に弧を描いた今季8号2ランは、プロ野球史上13人目の通算450号本塁打。209人目の被弾者となった松岡の視線が一瞬で右翼席へ散った。足早に生還した背番号6が贈呈された花束を左手で高々と掲げた。

 「1号から450号まで僕のバッティングをつくってくれた監督、コーチに感謝したい。それと、いつも投げてくれるバッティングピッチャーや、練習のとき、球拾いをしてくれる裏方さんへの感謝の気持ちも忘れてはいけないと思う」。負け試合で記録に浸るつもりはない。だが、節目では必ず謝恩の言葉を紡いできた金本らしく、報道陣の前で口を開いた。

 プロ19年目。42歳と85日で奏でたメモリアルは史上最年長での到達となった。富山で400号を刻んだ08年5月13日から2シーズン、775日を要したのは本人にとっては想定外。故障と闘いながら積み重ねた50本でもあった。08、09年シーズンは2年連続となる左ひざの手術明け。今季は3月中旬の練習中に同僚と接触するアクシデントで右肩に致命的な傷を負った。

 連続試合フルイニング出場の断念を余儀なくされた右肩棘上筋の部分断裂は順調に回復の段階を踏んできたが、ここへきて平行線をたどっている。16日に受診した再検査ではMRIの画像に新たな断裂個所が映し出された。大事を取って18日からの横浜戦はノースロー調整を続けたが、最近1週間は夜中になると右肩がうずき出し、1時間置きに目が覚める。「横浜からまともに寝ていない」。内臓に負担のかかる痛み止めすら効かない極限の状態で、食欲も急激に落ち込んだ。400号達成時には「自分のホームランを楽しみにしていた富山のファンもいたから」と右手で花束を掲げたが、今回は無意識のうちに左手に持ち替えた。

 試合後、右翼席のヤクルトファンから届いた記念球を手渡され、そっとバッグにしのばせた。かつて尊敬する清原和博氏から「オレの記録(525本)を抜けよ」と激励されたこともある。チームを勝利に導く1本を積み重ねるため、まだ歩みを止めない。縦じま初の偉業達成も、金本にとっては通過点にすぎない。

(2010年6月27日)

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