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新井激白…金本復帰まで4番務めあげる(2010年5月7日)

 4月13日の巨人戦で左越えソロを放った新井(左)は笑顔の金本に迎えられる

 阪神・新井貴浩内野手(33)が6日、「阪神の4番」を背負う現在の心中を激白した。金本知憲外野手(42)の連続試合フルイニング出場がストップして始まった「4番新井」の新オーダー。新井が攻撃の軸となった阪神は、4月18日からの14試合を10勝4敗と大きく勝ち越し、首位巨人を追撃する。だが、新井は復調した金本の4番復帰こそが、巨人をしのぐ絶対条件だと考えている。金本の偉大さを再認識した新井が、金本の完全復活を待ちわびる。

  ◇  ◇

 新井が胸中を激白した。「阪神の4番」に座って14試合。後継者にとっては日々、重圧との闘いでもある。経験して改めて知る兄貴分の凄み。北京五輪で「日本の4番」を張った男が「阪神の方が大変」と断言するから、その過酷さが分かる。

 それでも、金本が04年4月2日(巨人戦)から880試合フルイニング出場で守り続けてきた「大役」を預かる者として、その座を汚すわけにはいかない。8連戦を終えた休養日、甲子園に荷物整理に訪れた新井に改めて「阪神の4番」について直撃した。

 「大変なんてもんじゃないですよ。本当に重い。周囲の目も一気に厳しくなりますから。2試合ヒットが出なければ、新聞で『新井大ブレーキ』なんて見出しが躍る。自分ではそんなに状態は悪くないんだけど…と思っても、そんなふうに書かれると『あれ、オレって調子良くないのかな』って錯覚してしまったりするんですよ」

 金本の連続試合フルイニング出場にピリオドが打たれた4月18日、突然その時は訪れた。広島時代の07年10月7日(ヤクルト戦)以来924日ぶりの「4番」“復帰”。当日は「メンバー表を見て知った」。動揺もあったが、4打席凡退で迎えた最終回に適時打を放ち「阪神の4番」として初打点を刻んだ。

 以来、5日の中日戦まで55打数16安打(・291)12打点2本塁打が「4番新井」の実績だ。開幕から5番を務めた18試合を打率・323で通過した。現在32試合を終え打率・308。新井の言う「重圧」を差し引けば、マイナス1分5厘は「責任」を追及される後退ではない。

 「この重圧に耐えてきた金本さんの精神力はすごい。変な意味じゃなく『阪神の4番』が務まるのは金本さんしかいないと実感しています」

 現在金本は代打で連続試合出場を続けながら、腱板損傷を抱える右肩のリハビリを行う。DH制が採用される交流戦ビジターゲームの初戦(18日・ソフトバンク戦)での先発復帰が濃厚だ。金本は親しい関係者に「新井が好調なら、自分は3番でいい」と漏らしているが、新井の心は違う。

 「阪神の4番は僕じゃなく、金本知憲なんです。1日も早く帰ってきてほしい。老け込むなんてまだ早いし、これからもずっと4番でいてほしい。チームにとってそれが一番いい形だし、ファンの願いでもある。僕は金本さんが帰ってくるまで、しっかり4番を務めたい。帰ってきたときに、きれいな形でお返ししたいと思っている」

 前日は中日・チェンから3ランを放つなど4打点の活躍で「4番」の仕事を果たした。「きれいな形」とは「金本の歴史」を傷つけないこと。金本の早期復帰を祈りながら、新井には代役の激務を全うする覚悟がある。

(2011年8月31日)

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