「宝塚記念・Ｇ１」（２４日、阪神）

　ファン投票で出走馬が決定する上半期のドリームレース。ファンだけではなく、関係者の夢も詰まった大一番だ。ショウナンマイティとのコンビで挑む浜中Ｊも、この一戦にかける思いは強い。

　同馬のＧ１初参戦となった菊花賞では別の馬に騎乗。５戦ぶりの騎乗となった前々走の大阪杯では初重賞Ｖに導いた。デビュー時からコンビを組み、早くから期待が大きかった馬だけに「また乗せてもらえる巡り合わせに感謝したい」と、苦楽をともにしてきたパートナーと初めて挑む大舞台に胸を躍らせる。

　以前は精神面の幼さもあり、全能力を発揮できていなかった。今では「大人になって落ち着いてきた」と梅田智師が語るように気性も成長。前走では自身最速の上がり３Ｆ３２秒９を計時。折り合い面の不安が解消したことで、持ち味の爆発的な末脚にも磨きがかかった。

　最終追い切りは２０日、中２週でもあり、ソフトな調整を意識して栗東坂路を選択。終始、馬なりで「ずっと遊んでいた感じ」（浜中Ｊ）と舌も越していたが、ラストまで力強い脚さばきで駆け上がった。４Ｆ５３秒０‐３８秒３‐１２秒１の時計に「ケチのつけようがない。ラスト１Ｆもそんなに出てるの？ってくらい。抜群ですね」と鞍上は絶賛した。

　弥生賞の首差４着で出走を逃した昨年の皐月賞、賞金下位の馬がレーティングで繰り上がり除外になった今春の安田記念など、歯がゆい日々が続いた。「ここにきてかみ合ってきた。このなかに入ってもやれる馬。適度に荒れて差しが利く今の馬場もいい。あとは僕と馬が持っているか持っていないかだけ」と浜中Ｊ。“勝負運”を引き寄せられれば、悲願Ｇ１Ｖの夢も形になるはずだ。