「安田記念・Ｇ１」（３日、東京）

　反撃への思いが詰まった前日調整だった。２日朝のアパパネは開門直後の美浦坂路に登場。２本目には気分良くしまいを伸ばして、４Ｆ６１秒８‐４５秒２‐１３秒８で駆け上がった。「乗っている人間の気持ちの表れじゃないか」。国枝師は厩舎スタッフがこの一戦にかける思いを代弁した。

　昨年の安田記念で６着（１番人気）に終わってから歯車は狂い出した。以降は６戦０勝。絞れない馬体に苦戦し、さまざまな策を打ってきた。「出来自体は前走と変わりない。でも、今回はいつも通りの調整ができた。順調にきているよ」。好調時と同じ過程を踏めたのは、不安がなくなった裏付けとも言える。叩き３走目。今年最も走れる状態にあることは間違いない。

　５枠１０番は自在に構えることが可能な枠でもある。「日曜は雨が降るのか？天気やその日の馬場の傾向で、どう競馬をするか選べる枠だね。内や外だと選択肢が狭まってしまう。ここはいいんじゃないの」と利を強調した。天運も味方につけた女傑。復活の瞬間はすぐそこまで迫っている。