「日本ダービー・Ｇ１」（２７日、東京）

　２４日に枠順が確定。スピルバーグは（１）枠(1)番から発走する。

　スピルバーグの手綱を任されたのは、３年前にロジユニヴァースでダービージョッキーの称号を手に入れた横山典。初コンビとなるだけに、２週連続でケイコにまたがって感触を確かめた。「順調に乗れているよ。先週よりも動きがピリピリしてきたね」と、次が大一番であることをきっちりと伝達したようだ。

　スタートに課題が残るが、騎乗依頼を受けてからまだ時間がない。「（追い切りを含めて）３回しか乗っていないけど、攻め馬でも出が遅い。そういうフットワークなんだよね。戦法とか考えても、馬が行ってくれないことには仕方がないよ」。出遅れ癖も馬の個性として受け止め、長所を引き出すことだけに集中する。「雨は降らないみたいだから馬場はいい。ちょっと外に出せれば」。プリンシパルＳで見せた末脚で差し切りを狙う。

　それでも「未勝利戦で上がり３３秒台が出るくらい。速い流れに見えても惑わされてはいけない」と今の東京の馬場を分析しており、ある程度の位置は確保したい胸の内が見えてくる。「オレはマジシャンじゃない。あとはスピルバーグにお願いしておこう。“頑張ってくれ”って」。横山典のイメージと現実が合致したとき、藤沢和師の悲願が成就する。