「宝塚記念・Ｇ１」（２４日、阪神）

　激しい雨が降り続いた２２日早朝の美浦。そんな天気とは裏腹に、フェデラリストの田中剛師は、晴天の青空を連想させるような明るい表情を見せる。北の角馬場で調整を終えて「雰囲気はいいですね」と笑顔で語った。

　一抹の不安はあった。最終追いで予定よりも速い６Ｆ７６秒１‐３３秒９‐１１秒０を記録。過去にない時計が出た反動が気になったが「無理をして出していないし、チップより軽い芝でのものでしたからね。いつもと変わらない感じ」と安どする。

　環境の変化に敏感なタイプ。慣れた美浦で少しでも長い時間を過ごせる前日輸送で挑む。「早めに行くと、気合が入り過ぎてしまうので」と指揮官。大阪杯で長距離輸送を経験したことが糧になっている。「コースも経験済みですから」と舞台もプラスにとらえる。

　「相手は強くなりますが、今回の結果が今後の指標になるだろうし、いいところを見せてほしいですね」。母はＧ１２勝馬で９６、９７年の宝塚記念で３着のダンスパートナー。新馬戦４着後に地方へ転厩し、昨年の６月に中央へ戻り、重賞ウイナーとなった。勝てば８４年のグレード制導入後初となるＪＲＡ再入厩馬のＧ１制覇。苦難の経て進化を続ける良血馬が輝く。