「オークス・Ｇ１」（２０日、東京）

　元メジャーリーガーの佐々木主浩氏が所有するヴィルシーナは、コーナーごとに位置取りが下がって中団からの競馬。初めてもまれる形になったが、直線ではムチの連打に応えて馬群を割って伸びてきた。それでも、桜花賞馬に一瞬のうちにかわされて２着。桜のリベンジは果たせなかった。

　「前をかわせる手応えだったけど、勝ち馬のスピードが違った。悔しいくらいに強いね」。内田博は唇をかみしめた。距離延長での逆転をもくろんでいただけに、ショックは隠し切れなかった。

　馬主席で観戦した佐々木氏は、家族や親友とともに絶叫。「勝ったら車を買い替えるつもりだったのに…。祝勝会が残念会になった。クラブ（法人の馬）は強いね」。またもやサンデーレーシングの厚い壁に阻まれ、肩を落とした。

　それでも一日中、緊張していたそうで「２着だからホッとした」と苦笑い。守護神として数々の修羅場をくぐり抜けてきただけに、闘争心は人一倍。「スローならチャンスはあった。もまれた経験をしたのも大きい。秋には仕返しをしたい」としっかり前を向いた。