「オークス・Ｇ１」（２０日、東京）

　桜花賞２着馬ヴィルシーナは１９日の午後４時５分、決戦の地に到着した。府中遠征は重賞初Ｖを決めたデイリー杯クイーンＣで経験済みとあって、長距離輸送は慣れたもの。落ち着いた様子でカイバに口をつける姿に「ここまでは順調だし、競馬についても全く不安がない」と安田助手は語った。

　遅れること３０分、出張馬房を訪れたのは元メジャーリーガーの佐々木主浩オーナーだ。「今はそうでもないけど、きょうの夜あたりにはドキドキしてるかもな。馬には“あした走れば、あとは休みだからな”と声をかけておきました。頑張りなさいよってことです」と満面の笑み。悠然と構える愛馬に触れ、改めて頂上決戦に胸を躍らせる。

　オーナーのＧ１初制覇がかかる一戦。早い時期から“オークス候補”として期待をかけてきた素質馬が、いよいよ待ちに待った至高の舞台へと上がる。「順調にここまできたと思う。あとはゲートに入って、無事に回ってきてくれれば」。思いに応えて、悲願のクラシック制覇を成し遂げる。