大阪で“南北プロレス戦争”ぼっ発
2013年6月24日
ミナミを迎え撃つ、大阪プロの選手兼副社長ブラックバファローは「ビジネスとしてやっているわけですから」と、元同僚の行動に一定の理解を示しつつも「お客さんのことを第一に考えれば、開始時間までバッティングしているのは非常識。最低限のルールとして」と不快感を隠さない。
大阪プロは空牙らの離脱直後は観客数が落ち込んだが、様々な営業努力によって客足を取り戻しつつある。本拠地ビルに同居するライブハウスや大衆演劇場とのコラボイベントを立て続けに計画するなど、新規客獲得へ他ジャンルへの積極的なアプローチを続ける。一方で常連客の満足度を高めるため、興行後に出場選手がビルの1階まで移動し観客を見送るサービスを始めた。マンネリ感から脱却するため導入した所属選手プロデュースデーは「普段は見られないカードが見られる」と好評だ。
ファンからの意見も取り入れていく。「早すぎる」との声が多かった平日興行の開始時間を、7月3日から30分繰り下げて7時にするほか、生ビールとセットの割引チケットを新設し、会社帰りのサラリーマンの取り込みを狙う。夏休み期間中には小学生を入場無料にする恒例企画も開催予定だ。「14年間やってきた強みがある。常連さんはもちろん、一見さんが来やすい状況を作りたい」とバファロー。抜群の知名度を生かしたPR活動を展開し、ミナミの新興勢力をけん制する。
◆会場の他団体誘致でも火花
選択肢が広がったのはファンだけではない。プロレスファンが多い大阪は、年間を通じて多くの団体が遠征してくる“ドル箱”。興行の成否は会場選びも重要になる。レンタル料の安い公民館などもあるが、選手らに大きな負担がかかる「リング設営」から開放されるリング常設会場は大きな魅力だ。これまで大阪のリング常設会場といえば、ほぼ大阪プロレスの現本拠地・ナスキーホール梅田の一択だったが、道頓堀アリーナの復活は現状を大きく変える。
ナスキーホール梅田は、映画館跡地を改築しただけあり、ひな壇状の客席からはどこからでも観戦しやすいのが特徴。音響や空調もよく、観客、レスラー双方から好評だ。大きな弱点のない会場だが、固定式の座席、約350という客席数は、人気団体でなければ満席にするのは厳しい。
一方、席によっては観戦しづらいが、一体感があり約250席という手ごろな広さ、客席レイアウトも変更可能な道頓堀アリーナは、小規模団体にとって理想的だ。使用料が比較的安いのも魅力で、アリーナ復活を聞きつけ、早くもいくつかの団体が興行開催を決定している。当面は空牙の協力者らで管理するという。
「元所属選手の動きというより、正直、会場貸しのライバルが現れた点を強く意識している」とバファローも警戒感を強める。観客だけでなく、他団体の誘致でもキタとミナミのつばぜり合いが続く。
やがて勝者と敗者が生まれるのか、双方が疲弊するのか。それとも相乗効果で業界が盛り上がるのか。盛夏を前にして“大阪南北プロレス戦争”のゴングが打ち鳴らされた。
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