広島・森下、無エ~ン 7回1失点もコリジョン適用で不運決勝点 連勝5でストップ 

 7回、中日の打者と勝負する森下(撮影・吉澤敬太)
 4回、土田(手前)のスクイズの打球を本塁にグラブトスするも先制点を許す森下
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 「中日2-0広島」(8日、バンテリンドーム)

 広島は今季14度目の零封負けで6連勝を逃し、自力でのCS進出の可能性が消滅した。先発の森下暢仁投手(25)は7回1失点。7安打を許すも8奪三振と奮闘したが、四回、相手のスクイズを阻止したプレーにコリジョンルールが適用され、不運な形で決勝点を献上。7敗目を喫した。自己最多の11勝目は次戦で必ずつかむ。

 瞬時の動作に、森下は白星への思いを凝縮させた。グラウンドで燃やし続けたのは、勝利への執念。必死さを押し出した全力プレーで懸命に戦った。それだけに、不本意な形で与えた1点が歯がゆい。試合後は「自分のやれることはやりました」と悔しさを押し殺すように振り返った。

 勝敗を分けたのは四回。1死二、三塁で土田がスクイズを敢行した。マウンド前方の打球に素早く反応。体を本塁方向へ投げ出すようにダイビングして、会沢へグラブトス。アウトの判定となった。しかし、立浪監督がリクエストを要求。リプレー検証の結果、会沢が走者の走路をふさいだとしてコリジョンルールが適用され、先制点を奪われた(記録は犠打野選)。

 自己最多の11勝目は手にできなかったが、7回1失点の好投は決して色あせない。初回2死二塁でビシエドを空振り三振に斬ると、小さく拳を握った。最速151キロの直球とカットボール、曲がるカーブで緩急をつける本来の投球。磨き上げた制球力も生かし、味方の援護を待った。

 五回以降は相手打線をわずか1安打。六回は無死一塁からA・マルティネス、阿部、高橋周を3者連続で見逃し三振に斬った。8奪三振で七回も三者凡退に料理。反撃の機運を高めた姿に佐々岡監督も「粘り強く、走者を出しながらも最少失点で試合をつくってくれた」と、たたえた。

 ただ、右腕の投球も実らずチームの連勝は5で止まった。指揮官は「森下が頑張っていただけに。森下で負けるのはちょっと痛い」と唇をかむ。自力でのCS進出の可能性が消滅し、4年ぶりに中日戦の負け越しも決定。試合のなかった3位・阪神とのゲーム差は1・5に広がり、5位・巨人にも肉薄されている状況だ。

 来週13日からは阪神と直接対決2連戦が控える。森下を中5日で14日の同戦に先発させる可能性に、佐々岡監督は「あしたの状態を見てからになるでしょう」と示唆し、否定はしなかった。「また準備して、やりたいと思います」と前を向いた森下。届かなかった白星は、次のマウンドにあると信じたい。

 ◆広島・佐々岡監督(コリジョンルール適用に)「あのプレーは最高のプレーだったし、別にブロックしているわけでもない。審判によって見方が違うのか、そういうところが曖昧だったら、こちらとしては困る。あの後、抗議に行くと退場になるのは分かっていた。ちょっと納得いかないところはある」

 ◆広島・倉1軍バッテリーコーチ「会沢は故意で膝をついたわけではない。『ブロックしにいってはない。たまたま捕った時に膝をついただけで、間は空けています』と言っていた。またビデオを見て、どんな対策をしていかないといけないのか、というところ。審判の裁量ですよね」

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