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金本弾「ラッキーゾーンええね」江川撃ち

2012年11月19日

　４回、江川から右越えに３ランを放つ金本（撮影・高部洋祐）

　四回だ。１死一塁から江川が登板。掛布に右前打を許すとお役ご免で降板…。一度はベンチに戻りかけたが、監督の王会長が拒否。田淵を遊直に抑えると、続いて金本が打席に立った。１０月９日の引退試合以来、４０日ぶりとなった実戦。「スイングも走るのも、腹筋すらしてないよ」と話したが、ブランクは感じさせなかった。

　「あのクラスの投手になると、緩いボールでも対戦できるだけでうれしいね」。１ストライクからの２球目、真ん中付近の直球を狙った。打球は金本特有の弾丸ライナー。軽々と柵を越えた。「ラッキーゾーンはええね」。試合後、金本は笑顔で振り返った。この試合唯一の本塁打。だが、その結果以上に、伝説投手との対戦を喜んだ。

　実は９月１９日の巨人戦（東京Ｄ）終了後、長嶋茂雄氏から連絡が入った。「君みたいな素晴らしい選手は、広島でも阪神でも指導者になりなさい」‐。この日、再会は果たせなかったが、強烈な存在感は引退後も変わらない。「（ＯＢ戦は）阪神だからこそ、できることだからね」と金本。鉄人が再びグラウンドに立つ日をファンが、球界の先人たちが待ち望んでいる。

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