ドラ5糸原2安打1盗塁 まるで広島・田中!セ007急上昇マルチ新人に驚く

 「阪神紅白戦、紅組5-0白組」(11日、宜野座)

 虎の新人は大山だけじゃない!阪神のドラフト5位・糸原健斗内野手(24)=JX-ENEOS=が、紅白戦に紅組の「2番・遊撃」で先発出場。2安打1打点1盗塁の活躍を見せた。他球団のスコアラー陣も広島・田中と重ね合わせるなど要チェック。2試合連続安打で急上昇中の“糸原株”。社会人出の即戦力ルーキーが内野のポジション争いを激化させる。

 まるで田中広輔や!175センチと決して大きくない体ながらシュアな打撃を披露した。4打数2安打1打点。バットで存在感を見せつけた糸原は、「結果が出ていることはいいこと」と少しだけホッとした表情を浮かべた。

 一回1死で迎えた1打席目。いきなり鋭い当たりを放った。相手は白組先発・岩田。カウント1-1からの3球目、高めの直球を逃さず振り抜いた。ライナーで左前に運ぶと、二回1死三塁でも同じく岩田から中前へ適時打。今度はカウント3ボールから甘く入った変化球をきれいにはじき返した。

 左腕からの2安打。体は開かず、しっかりと踏み込んでスイングした。「左は苦じゃないので」と左投手に対して苦手意識はない。加えて初対戦となった投手が相手でも「自分のポイントで打つことを心がけている」と相手に合わせず、自身の打撃を徹底することができる。

 足でも魅せた。二回に適時打で出塁後、次打者の2球目。完璧にスタートを切り、二塁を陥れた。「塁に出たら積極的に行こうと思っていた」とチャンスを拡大。その後、板山の右前打で5点目のホームを踏んだ。金本監督は「思っていたより足が速い」と前評判以上の脚力に驚いた。

 躍動する新人の活躍に他球団の007も驚きを隠せない。ヤクルト・衣川スコアラーは「広島の1年目だった時の田中みたい。真っすぐに強いね」と分析。さらに「続けて結果を残したらセカンドもある。チャンスはあると思う」と、内野の定位置争いに加わる選手の一人として警戒心を強めた。

 糸原は自身で状況を考えながら、打撃練習を行う。走者を一塁においたエンドランを想定すれば、併殺になりやすい中堅方向は必ず外す。かなりの確率で強引に引っ張ることができ、流すこともできる。平野打撃コーチは「技術も高いけど、意識が高い。しっかりしているよ」とバットコントロール以上に目的を持って取り組む姿勢を高く評価している。

 8日の紅白戦でも安打を放ち、これで2試合連続安打。評価は急上昇中だが、指揮官は「今がピークじゃなきゃいいけど」と期待を込めてさらなる奮起を促した。糸原も「継続して(結果を)残していかないといけない」と気を引き締める。加熱するポジション争い。勝負はさらに熱くなる。

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