阪神の「穴」は空いたまま…フロント&現場が一枚岩で埋めないと

 阪神ファンに今季開幕戦の予想オーダーを聞いてみたい。真っ先に挙がるのはセンター糸井嘉男だろうか。ライトは福留孝介、レフトに高山俊。じゃ、次は。サードはキャンベル。いや、外国人だけは分からない。キャンプ、オープン戦で全く打てなければ…。ショートは北條で決まり?鳥谷が本領発揮なら混とんとする。セカンドは最激戦区だから予想は…。ファーストは?キャッチャーは?

 正月だから景気のいい話をしたい。優勝だ。日本一だ。そう叫びたい。でも、とてもポジティブにはなれない。金本知憲は今回の「1人語り」で「戦力は整いつつある」と言った。この「つつある」が、実は非常にあいまいな要素である。心配症な僕は思う。金本は昨年以上に苦労するのではないか、と。

 キャンプインの2月1日、宜野座球場の風景を想像してみる。17年初のシートで守備に就いた野手が久慈照嘉のノックを受ける。さて、ここで問題。マウロ・ゴメスの去ったファーストは誰が守っている?候補の原口文仁はキャッチャーマスクをかぶる。昨オフコンバート案のあった福留はファーストミットを着けないだろう。開幕まで2カ月もあるんだから、誰だっていい?

 開幕オーダーの候補に「穴」が空いたまま2・1を迎える。フロントの想定が甘い。球団、電鉄本社内からそんな声が聞こえてくる。昨年から球団内外の空気感で気になることがある。ドラフトやFAなど、補強戦略は金本が全権を握っているとまで言われたことだ。組織的にそんなことはあり得ない。直近ではFA補償に伴うプロテクトリストだってフロントの意向が反映されたと聞く。監督の意見が尊重されていることは確かだが、主導はあくまでフロントだし、本社の取締役会がノーと言えばノーだ。

 一塁を例に出したが、ほかに「穴」はないのか。「今年は何が何でも優勝」と声高に言うならば、「補強は完了」と胸を張っている場合ではない。足りないピースは補う。フロントが現場と一枚岩になり、冷静に「穴」を埋める必要がある。=敬称略=(デイリースポーツ・吉田風)

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