【フォワ賞】オルフェ5馬身ちぎった
「フォワ賞・仏G2」(15日、ロンシャン)
圧巻の走りで不安を一掃した。本番の凱旋門賞・仏G1(10月6日・ロンシャン)と同じ競馬場、距離で行われる前哨戦に向けてオルフェーヴル(牡5歳、栗東・池江)が強烈なパフォーマンスを披露。3頭併せで豪快に5馬身ぶっちぎってみせた。鮮やかにレース連覇を決め、ゴール寸前で涙をのんだ大一番へと弾みをつける。なお12日(日本時間13日)に出走馬が確定、枠順は13日に発表される。
圧巻の走りだ。ゴール寸前で栄冠を逃した1年前の雪辱を果たすためにも、好発進を決めたいオルフェーヴル。連覇のかかる前哨戦へ向けての最終追い切りの場はシャンティイ調教場エーグル地区の周回コース、実戦でも手綱を取るスミヨンを背に3頭併せで行われた。
前半は僚馬で帯同馬のブラーニーストーン(セン6歳)、もう1頭の地元馬が誘導。約2~3馬身差の最後方から追い掛けると、直線で外から並びかけ、最後は豪快に5馬身先着してみせた。
見守った池江師は納得の表情を浮かべる。「(ブラーニーストーンに騎乗した仏遠征中の)藤岡佑介騎手のリードも完璧。スミヨンも指示通りに乗ってくれました。よれたりササッたりもせず、むしろスムーズに走り過ぎた感じ。競馬なので何があるか分からないけど、力を出せる状態には仕上がっていると思う」と大きくうなずいた。
1週前追い切りを予定していた4日、アクシデントに見舞われた。ブラーニーストーンが尻っ跳ねした際、後肢が鼻先に当たり、外傷性鼻出血を発症。トレーナーは「その日の追い切りができなくなり、歯車が狂ったのは事実」と言いながらも「それを修正して戻せばいいだけのこと」と動じることはなかった。
仕切り直しとなった7日の1週前追い、そして最終追いも無事に終了。「スミヨンも“1歳年を重ねて精神的に成長しているし、パワーもついている”と言ってくれた」と指揮官の表情は明るい。「結果的に満足のいく追い切りができた。1年前よりもコンディションはいい」。万全の態勢が整ったとなれば、メンバー的にも前哨戦は落とせない一戦となる。海外デビュー戦となった昨年は、余裕を見せながらの1馬身差Vで世界にその名を知らしめた。ハプニング、アクシデントを乗り越えるたびにたくましさを増す5冠馬。堂々の勝利で勢いをつけ、1年前の“忘れ物”を取りにいく。

