【菊花賞】フェデラル光る長距離適性

 「菊花賞・G1」(21日、京都)

 過去10年で6頭の勝ち馬が春のクラシックを未出走だったように、夏の上がり馬の活躍が目立つ一戦。フェデラルホールは今が旬のステイゴールド産駒。大舞台に強い血統で長距離適性が光る。

 “夏の上がり馬”。ひと夏を越して大きな変ぼうを遂げた馬に使われる言葉で、まさに関東馬のフェデラルホールが当てはまる。菊の舞台ではこの手のタイプの活躍が目立つ。今年で73回目を迎えるが、春のクラシックに出走せず、頂点に立った馬は計19頭。古くは38年のテツモンに始まり、過去10年でも02年ヒシミラクル、04年デルタブルース、06年ソングオブウインド、09年スリーロールス、10年ビッグウィークが春の勢力図を塗り替えた。実績だけでは語れない。

 デルタブルースと同じく、九十九里特別を勝ち上がり、駒を進めてきた。今が旬のステイゴールド産駒。同じ父を持つ昨年の覇者オルフェーヴルがそうだったように、長距離を得意としている血統。初勝利は皐月賞の翌週と時間がかかったが、続く500万下、1000万下と3連勝中。勢いに乗っている。

 どの馬も未経験の淀3000メートル戦。中川師は「テンから行かせても押さえることができるし、折り合いの心配もいらない。距離の問題はない」と長丁場の舞台を歓迎する。前走は1000万下とはいえ、2500メートル戦で古馬相手に堂々のパフォーマンスを見せた。パートナーの吉田隼も「まだ緩いところはあるものの、ここにきて体つきは良くなっている。折り合いはつくし、距離はあっていい。本番が楽しみ」と確かな進化を感じ取っている。

 ステイゴールド産駒は3冠馬オルフェーヴルを筆頭に、その全兄ドリームジャーニーやナカヤマフェスタと、本番に強いイメージがある。その半面、激しい気性があだとなる馬もいるが、「ステイゴールド産駒にしてはうるさい面はなくおとなしい」と指揮官は指摘する。注目は同産駒の皐月賞馬ゴールドシップが集めているが、その前に立ちはだかるのは、同じ父を持つ遅咲きのフェデラルホールかもしれない。

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