オーナー報告の広島・新井監督 最終戦のスピーチを説明「言葉足らず。心配かけた」 エースと和製4番育成「優勝目標は当然」
広島・新井貴浩監督(48)が8日、マツダスタジアムを訪れ、松田元オーナー(74)にシーズン終了の報告を行った。その後、報道陣の取材にも対応し、4日の最終戦後のスピーチに言及。「優勝を目標にやっていくのは当然」と強調し、就任4年目での巻き返しを誓った。そのためにエースと4番といったチームの核になる選手の育成に力を注いでいく。
悔しさという火を心の中にともしながら新井監督はすでに2026年を見据えていた。5位で幕を閉じたシーズン終了から4日。「もう来年に向けて完璧に切り替わっています。やることはたくさんあると思っています」と目の前にある課題に目を向けた。
すでに来季の監督続投は決まっている中、球団事務所内で松田オーナーに今季終了を報告。「このような成績になって申し訳ないです」と伝えたことを明かし、オーナーからは「期待しているから、来年も頑張ってくれ」と激励されたという。
就任3年目の今季は59勝79敗5分け。球団15年ぶりとなる借金20で、2年連続Bクラスとなった。今季最終戦後のセレモニーではチームが変革期であることから、「新しい力が生まれる時、必ず苦しみが生じます。来年以降もこの苦しみは続いていくと思います」とスピーチし、スタンドからはどよめきが巻き起こった。
この発言の真意を改めて問われた指揮官は「私の言葉足らずで、皆さまにはご心配をかけたかもしれないですけど」と切り出し、「優勝を目標にやっていくのは当然のことなので、そこに向かって、今シーズン以上に厳しい道のりになるかもしれないけど、絶対に頑張ります、優勝を目指しますという気持ちだった」と説明。「絶対にやり返すんだ、絶対に巻き返す」という、胸の中にしまっていた熱き思いを表面に押し出した。
そのために必要なものは-。苦しい戦いの中で、「投手も野手も核となる選手をしっかりと育てていかないといけない」と実感した。今季は2桁勝利に到達した投手はおらず、4番には8人が座るなど、中心となる選手を固定できなかった。特に得点力不足は長年の課題で、打点を稼げる4番の誕生が待たれる。
理想は「日本人の選手」とし、和製4番を待望する心境をにじませた。「中心はしっかり固定したい」という考えの下、今後は競争の中で4番を託す人材の見極めと育成に力を注ぐ。
今年も長いオフ期間になる。若手には練習の「量と質」を求めて成長を促す方針だ。長いようで短い来季までの時間の中で優勝を狙うチーム作りを急ぐ。





