阪神・高橋遥人 1638日ぶり完封 初開幕ローテで圧巻112球「アドレナリンが出ていたので叫んじゃいました」

 「巨人0-2阪神」(28日、東京ドーム)

 ヒーローが力強く雄たけびを響かせる。ため息と大歓声が交差したマウンドを、阪神の高橋遥人投手(30)が最後まで守り続けた。112球で刻んだ、1638日ぶりとなる圧巻の完封劇。2リーグ制以降、開幕2戦目までの巨人戦で完封勝利を挙げたのは球団史上初という快挙となった。チームにも今季初白星が輝き、連覇に向けた第一歩を踏み出した。

 虎党の「あと1球」コールと、巨人のチャンステーマが交錯する。球場がすさまじい空気に包まれる中、高橋は最後の打者を打ち取ると、感情を爆発させた。「アドレナリンが出ていたので、叫んじゃいました」。112球の熱投でチームに初勝利をもたらした。

 気持ちで投げきった。2-0で迎えた九回、2死二、三塁と一打同点のピンチを背負った。バッターは、この試合で2出塁を許していた岸田。懸命に食らいついてきたが、最後はツーシームで空振り三振に仕留めた。「自分じゃ選べないボールを伏見さんが(サインを)出してくれたので、信じて投げきれた」。マウンド上で雄たけびを上げ、バッテリーで熱い抱擁を交わした。

 アクシデントにも負けなかった。八回、1死から中山の放った痛烈なゴロが左膝に直撃。一度、ベンチ裏に下がって治療も行ったが、マウンドを譲るつもりはなかった。むしろギアが上がった。「最終回に一番いいボールがいった。気持ちよくじゃないけど、腕を振り切れた。自信になりました」。しびれる場面で力を出し切った。

 これが21年の10月以来、自身1638日ぶりの完封で、今季12球団最速での完封勝利に。また2リーグ制以降、開幕2戦目までで巨人相手に完封勝利を挙げるのは、球団史上初の快挙だった。「毎試合プレッシャーはある。去年ここで(巨人に)やられているのも頭にあった。そういう中で打ち勝てたのが、一番うれしい」と表情を緩めた。

 プロ入り後、度重なるケガに悩まされてきた左腕にとって、開幕ローテは無縁だった。春先は、テレビの向こうで活躍する仲間たちを見ることしかできなかった。一昨年11月に手首のプレートを除去し、昨年7月に復活。毎年オフはリハビリに充てていたが、このオフはようやくやりたい練習に没頭できた。

 ただ、本人の中で『完全復活』という言葉は尚早だった。「痛くはないけど、力が入らないときもある。悩みがないわけではないです」。これまでの経験から、どうしても不安は付きまとっていた。今季はオープン戦4試合で防御率0・60と結果を残し、9年目にして初めて開幕ローテ入りを果たしたが「入ったことがないので、想像できないです。考えるのは難しい」と開幕1週間前になっても、気持ちは落ち着かなかった。

 それでも任された以上は覚悟を決めた。不安を吹き飛ばすような圧巻のピッチング。「本当にいろんな人に背中を押してもらった。みんなのおかげです」。最高のスタートを切った高橋は、今季こそチームとともに、歓喜のゴールテープを切る。

 ◆1952年からのフランチャイズ制以降、巨人との開幕カードで先発投手が完封勝利を飾ったのは初。開幕3戦目までに巨人戦での先発投手の完封勝利は、1リーグ時代までさかのぼり、同じくシーズン2試合目だった40年3月17日の若林忠志以来、86年ぶり。なお、24年の巨人との開幕3戦目は継投で完封勝利。なお、巨人戦に限らなければ開幕2戦目までで阪神先発投手が完封星を飾るのは90年の開幕戦だった4月7日・広島戦での中西清起以来。

 また、高橋が今季両リーグで完封勝利“一番乗り”。この日はオリックス・九里が完封勝利を記録したものの、試合終了時間が巨人-阪神戦が24分早かった。阪神投手の両リーグ最速完封星は19年・西勇輝以来。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス