木浪ただモンやない 2安打2打点 16日の3失策も引きずらず!

 「オープン戦、阪神7-3西武」(17日、甲子園球場)

 ただ者ではない。前日に3失策を犯し、猛省していた阪神のドラフト3位・木浪(ホンダ)。普通の新人なら“戦犯”とも言えるミスを引きずりかねない状況だが、この男は違った。

 三回、自身が粘ってつかんだ四球から好機は広がった。一挙、5点を挙げ、なおも2死満塁のチャンスでこの回2度目の打席に入った木浪。1ボールから、浮いたチェンジアップを振り抜くと打球は右前へ。2点タイムリーで、打者12人による猛攻を締めた。

 続く五回の第4打席では、変則気味のスリークオーター左腕・斉藤大を攻略。外に逃げるスライダーに体勢を崩されて追い込まれたが、勝負球の直球に自分の形でスイング。再び右前に運んだ。

 「きのうがああいう形だったので切り替えようと。フォアボールを2つ取れたのも大きい」。そう言ってうなずいた背番号0は「塁に出ることが1番(打者)の役目。それに関しては良かったのでは」と笑顔を見せた。

 この日は3打数2安打2打点で4出塁。オープン戦打率は・441でチームトップを誇り、12球団でも3位に位置する。さらに同安打数は15本。6試合を残して04年・鳥谷に並び、01年・沖原の16本、チーム新人最多安打となる16年・高山の17本も射程圏に入った。

 沖原、鳥谷、高山はいずれもその勢いで開幕スタメンを勝ち取った。矢野監督も3戦連続となった1番・木浪、2番・近本のオーダーに「開幕?あり得る。直前で変えるかもしれないけど、それも楽しみにしていただければ」と言及。球団史上47年ぶりの新人W開幕スタメンだけでなく、史上初の開幕1、2番も視野に入れる。

 「前日から切り替えるということが形となった。(これを)続けられるかどうかだと思うので」と木浪。スーパールーキーは気を緩めることなく、常に前を向いて進んでいく。

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