日本サッカー協会は17日、9月の国際親善試合2試合と、10月に4カ国で争うキリンカップに臨む日本代表31人を発表した。W杯北中米3カ国大会のメンバーを基本軸として選出する中、初招集はMF松木玖生(くりゅう、23)=サウサンプトン、FW谷村海那(28)=横浜M、MF中野就斗(26)=広島、MF斎藤俊輔(21)=ウェステルロー=の4人。来年1~2月のアジア・カップ(サウジアラビア)まで指揮を執る森保一監督(58)は千葉市内で会見し、同杯の優勝に向けたチーム力強化と、来年3月からの大岩剛政権に向けたバトンタッチの両立を誓った。
32強で終わったW杯から約2カ月半、半年限定の森保ジャパンが再スタートを切る。W杯メンバー20人を中心に大量31人を招集。「W杯メンバー中心にベースを作りながら、W杯で選びたくても選べなかった選手や、今存在感を放って成長が期待できる選手で構成した」。信頼と期待の布陣が並んだ。
初顔は4人。海外からは2024年パリ五輪世代の松木、28年ロサンゼルス五輪世代の斎藤が初のメンバー入りを果たした。松木は青森山田高時代に高校3冠を達成。若い頃から有望株として注目を集め、現在はイングランド2部でプレーし、直近の試合でゴールを奪うなど結果を残している。「二列目から飛び出してゴール前で得点を決める仕事ができる」。FC東京時代に20歳で主将を務めた、高いキャプテンシーも評価した。
Jリーグからは継続的に結果を残している谷村と中野を初招集した。JFL出身の苦労人・谷村はJ3→J2→J1とコツコツと階段を上り、代表まで駆け上がった。24年にはJ2いわきで18得点、25年はクラブ初のJ2降格危機にあった横浜Mに途中加入し、残留に貢献。百年構想リーグは1位タイの10得点を挙げ、今季も7試合時点で日本人トップタイの6得点を記録している。「今Jリーグの中で一番点を取って結果を出している選手」と、アピールが実った形だ。
W杯で最年長だった40歳のDF長友佑都(FC東京)、代表引退を表明した33歳のMF遠藤航(リバプール)はメンバー外。平均年齢は25・7歳となり、前回より約1・2歳若返った。ただ、若手に簡単にポジションを与える考えはない。これまでも「期待枠、育成枠で使った選手はいない」ときっぱり。鈴木彩、冨安らを例に、親善試合で結果を出した選手をベストメンバーとして起用する構えだ。
選考基準はこれまで通り「過去と今と未来を掛け合わせた」もの。“未来”の大岩監督の意向が多くを占めることはない。バトンタッチはあくまで過程であって目的ではない。そう強調する指揮官は会見終盤、笑顔で報道陣にこう問いかけた。
「もし試合にたくさん負けたら、みなさん許してくれますか?」
若手を育てるための半年ではない。結果を出した者が生き残り、新たな戦力になる。アジア杯優勝を目指す半年間の戦いが幕を開ける。
◆中野就斗(なかの・しゅうと)2000年6月27日、東京都青梅市出身。桐生第一高から桐蔭横浜大に進学した。22年に特別指定選手として広島でプレー。2月19日のJ1開幕戦の鳥栖戦でデビュー。23年にA契約を結んだ。同年4月19日のルヴァン杯神戸戦で公式戦初ゴールを決めた。183センチ、83キロ。
◆谷村海那(たにむら・かいな)1998年3月5日、岩手県盛岡市出身。盛岡市立永井小時代に盛岡ジュニアでプレーした。花巻東高から国士舘大に進学。卒業後は当時JFLのいわきに入団した。25年7月に横浜Mに移籍した。J1デビュー戦となった7月20日の名古屋戦でゴールを挙げた。183センチ、81キロ。
◆斎藤俊輔(さいとう・しゅんすけ)2005年4月26日、神奈川県出身。中学まで横浜Mの下部組織に所属した。桐光学園高に進み、24年に水戸に入団した。同年7月のJ2横浜FC戦でJリーグ初得点。25年9月にU-20でW杯に出場した。26年1月にウェステルロー移籍。174センチ、68キロ。
◆松木玖生(まつき・くりゅう)2003年4月30日、北海道室蘭市出身。青森山田高からFC東京に入団した。24年7月にサウサンプトン(イングランド)に完全移籍。中学3年だった18年にU-15日本代表に選ばれ、年代別代表に選出された。青森山田高時代に全国高校選手権など3度の日本一を経験した。180センチ、78キロ。