神戸にフィジカル改革!世界を知る咲花コーチ 独&米代表スタッフとして2度W杯経験

 今季からJ1神戸のフィジカルコーチに就任した咲花正弥氏(43)。ドイツ代表と米国代表のスタッフとして10年南アフリカ、14年ブラジルW杯に2大会連続で参戦した経歴を持つ、“世界を知る”日本人の一人だ。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得を目標に掲げる港町クラブに加わった“大物助っ人”。昨季は負傷者が相次いだこともあり9位に沈んだ神戸で、フィジカル改革を引き起こそうとしている。

 始まりはポドルスキからの連絡だった。「チームには伸びしろがある。ドイツでやったことを神戸の選手にもやってほしい」。元ドイツ代表が咲花氏へ直接訴えてきた。時を同じくして神戸からの熱心な誘いも重なった。「チームが変わろうとしている、変革を求めている風潮が強かった」と感じ取り、日本への帰国を決断した。

 高校時代から現在の仕事に興味があった。大学卒業後、一般企業に就職したが3年半働いた後に退職。米国に渡り、ニューヨーク州の大学院で運動生理学を学び修士号を得た。100通近くインターンを申し込んだが、返事があったのは3、4通のみ。その中の一つがアリゾナ州に本社を置くアスリーツ・パフォーマンス(AP=現EXOS)だった。

 設立から数年のAPだったが、既にMLB、NFLなどの有名選手が“隠れ家”的なトレーニング施設として利用するなど、その名を知られつつあった。咲花氏はまだ無名だったサッカー女子米国代表FWアビー・ワンバックや女子テニスのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、アリゾナ州立大の学生だったダスティン・ペドロイア(レッドソックス)らを担当しながらスキルを磨いた。

 米国在住だったユルゲン・クリンスマンがサッカーのドイツ代表監督に就任した際にAPの手法を採用。06年のレーヴ監督就任後もドイツ代表とAPの関係は続き、咲花氏は08年からドイツ代表のフィジカルコーチとして派遣され、ポドルスキと知り合うことになる。08年欧州選手権準優勝、10年W杯南アフリカ大会3位などドイツ躍進の一翼を担う一方で、サッカー日本代表や陸上男子ハンマー投げの室伏広治もサポート。米国代表にクリンスマン監督が就いた11年、ドイツでの実績が評価され、咲花氏に声が掛かった。

 「アスリートとして土台となるべきフィジカルの素養というものがある。その土台を維持し、強化していくことが自分の役割」と話す咲花氏は、「ケガがなくなってもパフォーマンスが良くならなければ、アスリートとしての生産性は上がらない」とし、『ケガ予防』と『パフォーマンス向上』を車の両輪のように回していくことを重要視する。ハムストリング(太腿裏)を例に挙げ「使えていなかった筋肉を刺激して使えるようにすることで、肉離れしやすかったハムストリングへの負担が軽減してケガをしにくくなり、臀部(でんぶ)の筋肉を使えるようになることでパフォーマンスも良くなる」と説明する。

 沖縄県読谷村で行われたキャンプでは「加速を効率的に行うため、地面にしっかりと力を伝えて前に出る」ことを念頭に、姿勢や脚の運び方など基礎的な指導も施した。副主将を務める小川慶治朗は「体幹を意識したトレーニングが増え、“ザ・筋トレ”というものがなくなった」と変化を実感する。咲花氏からは「サッカー選手はお尻=臀部が大事」といったアドバイスや、2部練習の合間に汗を流す際には、筋肉が緩くなりケガしやすくなるため湯船には漬からないように指導を受けたと明かす。

 咲花氏はフィジカルトレーニングの側面だけでなく、食事や栄養、睡眠などピッチ外の生活全般における質の向上のため「選手を取り巻く環境全てを整えるシステム作り」も進める。例えば栄養なら「選手個々で必要な栄養素は全く変わってくる」と話し、選手ごとのデータをもとに栄養士など専門家の力を借りながら必要なもの、不足しているものを個別に割り出し「ソリューション(解決策)を提供していく」という。

 パフォーマンス向上に直結するさまざまな要素を「細分化して一人一人に合ったものを作り、全体的に選手を360度囲ってサポートできる環境を作りたい」とイメージを描く。「クラブに一つのカルチャー(文化)を作りたい」と咲花氏。育成年代からトップチームまで一貫して指導できるフィジカルパフォーマンスのシステム構築を目指し、改革に着手する。

  ◇  ◇

 咲花正弥(さきはな・まさや)1974年6月13日、東京都練馬区出身。東京・自由学園大卒業後、光学機器メーカー「オリンパス」で3年半勤務。2003年に米ニューヨーク州のイサカカレッジ大学院で運動生理学の修士課程を修了し、アスリーツ・パフォーマンスで勤務。08年から10年までドイツ代表のフィジカルコーチ、09年から10年には日本代表フィジカルコンディショニングアドバイザー。11年から米国代表のフィジカルコーチを務め、18年からJ1神戸のフィジカルコーチに就任した。

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