川崎 奇跡の大逆転初V 憲剛男泣き!「オレが15年間探していたのはこの景色」

 号泣しながらチームメートと抱き合う
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 「明治安田生命J1、川崎5-0大宮」(2日、等々力陸上競技場)

 川崎が初優勝を遂げ、クラブ史上初の主要タイトルを獲得した。最終節で主将のFW小林悠(30)が3ゴールを奪うなど大宮に5-0で完勝。磐田と0-0で引き分けた鹿島と勝ち点72で並び、得失点差で上回り、最大8差を逆転して悲願を達成した。J1で3度の2位のほか、ルヴァン・カップ(旧ヤマザキナビスコ・カップ)で4度、天皇杯全日本選手権で1度の準優勝という「シルバーコレクター」が初戴冠。在籍15年目のMF中村憲剛(37)は歓喜の涙を流した。

 何度、見上げていたのだろう。タイトルを掲げる誇らしい勝者の姿を。何度、折れかけたのだろう。2位で終わった悔しい心は。悲願達成、満願成就。恋い焦がれた表彰台からの景色はまさに絶景。目に入るすべての人々の感情が揺さぶられていることが、MF中村にははっきりと分かった。「優勝って、こんなに素晴らしいと体感した。オレが15年間探していたのは、この景色だったんだ」

 開始46秒と電光石火の先制点を皮切りに、5発大勝。終了間際にはベンチの方を見る余裕があった。最後のホイッスルが響くと、瞬時に理解した。「09年の(最終節)柏戦を経験しているからね。あの時も勝ったけど、(他会場で鹿島の優勝が決まり)誰も喜んでいなかった」。なだれ込んでくるチームメート、スタッフ、スタジアムの大歓声。止めどなく涙があふれてきて、気がつけば地面に突っ伏して泣き続けた。

 「シルバーコレクター」。これが川崎の代名詞だった。国内三大タイトルで2位が8回。今季も11月のルヴァン杯・決勝でC大阪に屈した。「自分に原因があるのではと、自問もした。僕はこれだけ長く在籍しているので」。だが、この日のリーグ制覇でそれも返上。「タイトルを取らないと分からないこともある。これで、このクラブはまた前へ進めると思う」と話した。

 川崎一筋、プロ15年目のベテラン。サッカー選手としては珍しく、足の爪がキレイだ。多くの選手は練習によって、足の爪の内部に血がたまっていることが多いが、中村はそうではない。本人は「スパイク(ミズノ社のモレリアを長年愛用)が良いからね」と謙そんするが、キレイな爪とは対照的に、右足のインサイド側に、いわゆる“こぶ”のような膨らみがある。正確無比なキックの出どころに「繰り返し蹴ってきた証し?そうだと思う」と話す、努力の跡と誇りが詰まったもの。美しい連動を見せたこの日の3点目も、そんな中村の右足インサイドキックが起点だった。

 表彰式の際、スタッフの計らいでFW小林と共にキャプテンマークを巻いてパネルを掲げた。本物の優勝トロフィー、シャーレは鹿島が戦ったヤマハスタジアムにあったが「それもフロンターレらしくていいんじゃない」と笑う。一番ほしかったもの、見たかった景色は、もう手に入れていた。

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