【ボート】辻、自然体で賞金王目指す

 年末の大舞台まであと4カ月!ボート界の頂点を決める「SG・第28回賞金王決定戦」(12月20~23日・住之江)出場に向け、賞金レースはいよいよ佳境。11月末の時点で獲得賞金上位12人だけが出場する夢の大舞台。出演者の枠が埋まりつつある中、“オーディション”はこれから本格化する。05年の賞金王覇者でもある辻栄蔵(38)=広島・74期・A1=は、獲得賞金ランキング14位(19日現在)に位置し最前線で戦う一人だ。27日から始まる「SG・第59回モーターボート記念」(まるがめ)から、賞金上積みを目指す。

 賞金ランク14位。「そう言われたらそうなん?という感じ。コンスタントと言えばコンスタントだが、SGでは結果を出せていない。賞金王に出ることではなく、最終的にはそこで勝つこと。今のエンジン出しの力では全然足りない。予選から突っ走れるパターンになっていない」と、今年ここまでの戦いに、辻は納得していない。

 7月江戸川周年のFでブレーキもかかった。「Fを切ってからSを行き切れていないことにモヤモヤしている。だから、そこ!いかにパワーを最大限に引き出し、思い切ってSを行って1Mのハンドルを入れるか。やることや気持ちは一緒」と気負いはない。F休み前の2節はSG・MB記念とG1・徳山周年。まるがめはSG2優出、徳山は昨年G1優勝と実績水面で自身にとっての正念場を迎える。

 ボート界は、昨年5月に新プロペラ制度が導入され、各選手の技量が浮き彫りとなる時代に突入した。「F1でマクラーレンからエンジン供給されていた選手が、全員横一線で同じ50ccで戦うようなもの。ペラもエンジンも引くのは自分、出すのも自分。全てはパイロットの技術次第。昔より厳しい立場に置かれた」と現状を受け止めている。

 個性際立つSG戦士の中で辻は“超自然体”。「力を入れれば勝てるわけではない。力は入れるより出すもの。自分の場合、勝ちを意識しない時の方がうまくいったケースが多い。なるべく考えないように考える」と自分をコントロール。レースで負けてもカッカしない。「人の中に原因をみつけようとすると成長しない。それに至る前に自分がどうすれば良かったかと考える。その方が確実」と経験から学んだ。

 12人が選出される賞金王は今年が最後になる。「来年から12人が18人になって賞金王の価値が落ちるとか、そんな甘い世界じゃない。賞金王もほかのSGもラッキーでは取れない。今年だけではなく、この仕事をしている限り賞金王に出て、賞金王で優勝することが最終目標。その過程で色んな人と出会い、色んな経験をしながら、人として成長したい」と自分らしく道を極める。まるがめから再スタートする、13年賞金レース終盤戦。辻は自然体でベスト12入りを目指す。

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