【桜花賞】皇成ロゼで大輪咲かせる

 「桜花賞・G1」(7日、阪神)

 混戦ムードが漂うなかにあって、無傷のまま一戦ごとに深めてきた人馬の信頼関係が頼もしい。ここまで3戦3勝、04年ダンスインザムード以来、史上7頭目となる無敗の桜花賞馬を目指すクラウンロゼ。鋭角な良化曲線を実感し、三浦の期待度は膨らむ一方だ。

 「2戦目まではフロックだと思われても仕方がない部分があったと思いますが、前走で“これは本物だな”って感じました。返し馬での感触からして、それまでとは別馬のようでしたから」。新馬戦とフェアリーSはともに10番人気という気楽な立場も利しての勝利だったが、前走のアネモネSは控える競馬にも難なく対応して、直線で抜け出す完勝劇。「使うごとに成長しています」とセンスの良さに舌を巻く。

 08年の騎手デビュー以来、G1は35回騎乗し3着が最高。ただ今回のクラウンロゼのように、全戦で手綱を握り続けて大一番に臨んだケースは11年オークス(バウンシーチューン17着)と12年菊花賞(ダノンジェラート7着)の2回しかない。「前走は前哨戦として、やるべきことを全てやれましたから」。自分自身、納得のいく過程を踏んで気心の知れたパートナーと挑めるのは心強い。

 「競馬の雰囲気にのまれなければチャンスは十分にあると思います」。デビュー年に新人最多勝記録(91勝)を更新した23歳の若武者にとって、華やかなムードに包まれる桜花賞への参戦は今回が初めて。絶好のチャンスを生かして、人馬ともに鮮やかに咲き誇る。

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