【桜花賞】サプライズ余力十分!合格点

 「桜花賞・G1」(7日、阪神)

 水気を含んだ重いチップをモノともせず、活気あふれるフットワークを見せつけた。3日の追い切りは酒井(レースは武豊)を背に、クロフネサプライズは栗東坂路で最終リハ。先行するツカサリバティー(3歳未勝利)に馬なりで並びかけると、ラストも余力十分の脚勢で突き放して、2馬身半の先着を決めた。

 タイムは4F54秒4‐40秒0‐13秒1。田所師は「良かった。タイム的にも想像以上」と納得の表情を浮かべる。2週連続で調教をつけた酒井も「残り100メートルまで(馬体を)並べて、最後も相手を離す気持ちがあるかどうかを確かめたかった。先週の時点でも仕上がっていたが、さらにいい」と上昇気配を漂わせる動きに合格点を与えた。

 昨年暮れの驚嘆は確信へと変わった。今年の始動戦となったチューリップ賞は後続を3馬身半差突き放す逃走V。15番人気ながら2着に食い込んだ阪神JFが、決してフロックではなかったことを証明した。「G1が手に届くところまで来ているし、チャンスをモノにしたい」。指揮官は鼻息荒く大一番を見据える。

 94年にオグリローマンを桜花賞馬に導いた武豊が、19年の時を経て再び巡り会った芦毛の素質馬。「阪神外回りは差し、追い込みが有利だが、そこで2回先行して結果を出していますからね。楽しみ」と名手は腕をぶす。もうサプライズとは言わせない。女王の座を射止めるだけだ。

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