【凱旋門賞】オルフェ試練の大外枠

 「凱旋門賞・仏G1」(7日、ロンシャン)

 大外枠もはね返す。枠順抽選会が5日、パリ市内のレストランで行われ、出走馬18頭の枠順が確定した。前哨戦のフォワ賞を快勝したオルフェーヴル(牡4歳、栗東・池江)は18番枠に決定。ただ、池江師は「運がこちらに向いてきた」と前向き。最大のライバル・キャメロットは5番枠に入った。

 一瞬の沈黙のあと、悲鳴にも似たどよめきが起こった。100人を超える関係者がかたずをのんで見守るなか、6番目に日本最強馬の枠番が発表された。「オルフェーヴル、ディズウィットゥ」。まさかの大外18番枠。抽選したロンドン五輪女子柔道70キロ級金メダリストのリュシ・ドコスも思わず苦笑いを浮かべた。

 オルフェと大外枠。阪神大賞典では外に逸走、春の天皇賞では11着に敗れている。試練とも言えるが、池江師は平常心を崩さない。「外めを希望していたのでよかった。鬼門と思われるかもしれないが、前走も大外で勝った。運がこちらに向いてきた」と前向きに受け止めた。

 過去10年、凱旋門賞を大外枠で制したのは03年のダラカニのみ(14頭立て)。ただ、騎乗していたのがスミヨンだった。「内めの枠だけは嫌だった。3歳馬が内にいるので、それを見ながら進められると思う」。舞台を知り尽くす名手は、マイナス材料とはとらえていない。

 5日はラモルレー調教場の坂路をキャンターで駆け上がり、静かに体調を整えた。「気合が乗ってきたし、体調はすごくいい。前の馬を抜こうとする感じがあるし、オンとオフの切り替えがしっかりとできている」と順調ぶりに指揮官は言葉を弾ませた。

 陣営から不安の文字は全くうかがえない。大外枠から歴史を塗り替える。

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