カープ三好引退「ピオーネ」お疲れさま 「いい話をいただいた」球団に残って第2の人生

 サヨナラ打を放ち、山田コーチと抱き合って喜ぶ三好=19年8月20日、マツダ
 5日、戦力外通告を受け、グラウンドのベンチへ向かい関係者にあいさつする=マツダスタジアム(撮影・田中太一)
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 広島は薮田和樹投手(31)、岡田明丈投手(29)、三好匠内野手(30)、育成の行木俊投手(22)、木下元秀外野手(22)、中村来生投手(20)に来季の契約を結ばない旨を通達した。三好は楽天からトレード移籍し固い守備で勝利に貢献してきた。今季限りでの現役引退を決断し、今後は球団に残る予定だ。    

 前を向いていた。スーツ姿で球団事務所を訪れた三好は「カープさんの方からいい話をいただいたので、球団に残りたいと思っています」と言って顔を上げた。戦力外通告を受け今季限りでの現役引退を表明。新たなスタートラインを決めた。

 12年のプロ野球人生だった。転機は19年7月。下水流との交換トレードで広島に移籍。名字にちなみ、三次市の特産品であるぶどうと同じ「ピオーネ」というニックネームで愛された。

 今季は若手の台頭もあり1軍昇格は一度もなかった。それでも「腐らずに自分にできることをやろうと思ってきた」。どんな状況でも練習に打ち込んできた。

 思い出に残っている場面を問われると、2試合を挙げた。

 「サヨナラを打った試合と、開幕戦のプレーはすごく記憶に残っています」

 19年8月20日のヤクルト戦。鈴木誠の3ランで同点としなおもチャンスで試合を決める中前適時打を放った。「守備の人」という印象が強い中、見せた勝負強い打撃でチームへさらに溶け込んだ。

 衝撃的なプレーを見せたのは20年DeNAとの開幕戦だ。守備固めとして三塁手として起用されると、八回のピンチでオースティンの強烈な打球を好捕し同点を防いだ。手にした開幕星。影のMVPは三好だった。

 広島で過ごした5年間。財産は常勝チームのメンタリティーなどを吸収できたことだ。移籍年はリーグ3連覇を果たした翌年だった。

 「3連覇の主力が残っていて野球に対する考えが残っていた。野間さんとか上本さんの準備の仕方、楽天になかった3連覇したチームの戦い方はすごく勉強になりました」

 貴重な経験を今後の人生に生かしていく。

 「(悔いが)ないといえばうそかもしれない。でも楽天から来て、(引退は)カープで、という気持ちはあった」。詳細は明かさなかったが、球団に残り今度は違う形でチームを支えていく。

 ◆三好 匠(みよし・たくみ)1993年6月7日生まれ。福岡県出身。内野手。右投げ右打ち。174センチ、84キロ。軟式野球部に所属していた中学時代に全国制覇を経験。九州国際大付では1年から甲子園に出場した。3年春のセンバツではエースとして準優勝に導いた。11年度ドラフト2位で楽天に入団。19年7月に広島にトレード移籍した。

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