広島・床田 思い出の地・長良川球場で無傷3勝目 7回0封で凱旋星「勝ったでぇ~」 新井監督も「大きかったね」

 思い出の球場で白星を挙げ、帽子をとってファンの声援に応える床田(撮影・田中太一)
 先発し、力投する床田(撮影・田中太一)
床田(右)にウイニングボールを渡す矢崎
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 「中日0-1広島」(9日、長良川球場)

 広島の床田寛樹投手(28)が7回7安打無失点で、無傷の3勝目を手にした。尻上がりに調子を上げ、終盤のピンチでも粘り強さを発揮。中部学院大時代にプレーした岐阜・長良川球場での凱旋登板を白星で飾った。チームはこの日から長期ロードがスタート。4カード連続となるビジター試合の初戦を勝利し、連敗を3でストップ。勝率5割復帰に王手をかけた。

 外角低めへの直球だった。コースいっぱいに制球されたキレのある球に、大島は天を仰ぐ。0-0の七回2死一、三塁で奪った見逃し三振。床田が最高の1球でピンチをしのいだ。

 「ちょっと勝負しようか迷ったところもあったので、四球でもいいと、厳しいところに投げようと思った。何とか抑えられてよかった」。充実感いっぱいに汗を拭った。

 不安定だった立ち上がりを乗り越えた。修正したのは直球の意識。引っかけ気味だったため「思い切って浮き上げる感じで投げた」。高めに抜けるのもいとわず、腕を振り抜いた。安定感が出た。

 二回1死一、二塁からは13人連続アウト。六回2死一、二塁では福永をパームで遊ゴロに仕留める。緩急を駆使した投球も光った。両軍とも無得点で進んだ試合で、たくましさがあった。

 7回7安打無失点と好投し、降板した直後の八回。中部学院大の先輩でもある野間が待望の先制点をたたき出した。「さすがだなと。大学時代、何度も助けてもらった」。先輩が見せた意地の一打。ベンチから両手をたたいて感謝の思いを伝えた。

 プロでは初となる長良川球場での登板。スタンドには、大学時代の友人や妻の家族も観戦に訪れていた。ヒーローインタビューで家族への言葉を求められると「勝ったでぇ~」と言って白い歯をこぼした。応援ボードが掲げられ、ウオーミングアップ中には励ましの言葉をもらった。多くの人に背中を押され手にした凱旋星は、格別だった。

 この日から長期ロードがスタート。4カード連続でのビジター戦に臨む。その初戦を勝利で終え、チームは連敗を3でストップ。借金を1とした。今後に弾みがつく大きな1勝。新井監督は「大きかったね。すごく粘ってナイスピッチング」と勝利の立役者に目尻を下げた。

 防御率はリーグ2位の1・37に。「左のエース」ではなく、「真のエース」になると誓い臨む今シーズン。頼もしい床田がチームをけん引していく。

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