ドラ1小園に試練 エラー直後に逆転悲弾「自分の気持ちの弱さ出た」

 「交流戦、広島4-5オリックス」(21日、マツダスタジアム)

 広島のドラフト1位・小園海斗内野手(19)=報徳学園=がプロの厳しさを痛感した。4-3の九回1死で大城の打球を一塁へ悪送球し、2夜連続で失策を記録。そこからリズムを崩したフランスアが吉田正に逆転2ランを被弾した。打撃でも5打数無安打、送りバントも失敗した黄金ルーキー。2戦連続スタメン出場となった一戦は試練の連続だったが、スターになるためにも乗り越えるしかない。

 悔しさを胸いっぱいに詰め込んだ。敗戦後の通路。小園は時折、唇をかみしめながら九回の守備を振り返った。一塁へ、痛恨の悪送球。1プレーで流れががらりと変わり、勝利が遠のいた。痛感したプロの厳しさを言葉に変えた。

 「確実にしっかり捕って、確実に送球しようと思っていた。自分の気持ちの弱さが出てしまった」

 4-3の九回1死だった。大城の打球を処理し、1つ、2つとステップを踏み一塁へ投げた。アウトと思われたが、送球はバティスタの前でワンバウンドし、ミットの下を抜けていく。この失策で走者を許した直後、吉田正にフランスアが右越え2ランを被弾。あとアウト2つで逆転を許した。

 確実にアウトにするため、捕球後に丁寧に踏んだステップが、この日は裏目に出た。山田内野守備走塁コーチは「余裕を持った分、体が前に突っ込んで腕が振れなかった」と分析。続けて「糧にするしかない。こういうことで、試合がこうなってしまうということを経験できたのは大きい。負けずに乗り越えてほしい」と背中を押した。

 前日20日のロッテ戦でプロ初安打となる左前打を放ったバットでは、5打数無安打だった。七回無死一塁から初めて試みた送りバントは、初球を打ち上げ捕飛に。走者を二塁に進められず、好機拡大の役目を果たすことはできなかった。

 不動だった田中広に代わり、2試合連続で「1番・遊撃」でスタメン出場。プロ2試合目は苦しく、忘れがたい試合になった。緒方監督は「いろんな経験を積んで行ってほしい。きょうの負けは、良い采配ができなかった」と振り返った。

 取材の最後、小園は前を向いて言葉を紡いだ。「ヒットを打つ、一つのバントを決める、一つの守備をこなす…。一つ一つのプレーを1軍でこなす難しさを知った。練習から試合を意識してやっていきたい」。成功も失敗も全てが初めての経験。歩み始めたばかりのプロ野球人生。目の前の壁を一つ一つ、乗り越えていく。

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