今年から導入されたギア規制（１４年１２月３１日を初日とする開催から、ギアは４・００未満に規制）により、渡辺は切れ味を戻した。４・００以上の大ギア時代とは明らかに動きが違う。鋭い決め脚を武器に好走を続けている。
　３月のＧ１日本選手権（京王閣）は２次予選で敗れたが、そのあとは西武園、松阪記念を含めて５場所すべて決勝進出。小田原、岐阜Ｆ１は優勝をゲットするなど、今回の高松宮記念杯には最高のリズムで乗り込めそうだ。
　かつてのタイトルホルダーでもある。２００８年３月に日本選手権（静岡）を制してＧ１初戴冠を果たすと、その勢いで６月に高松宮記念杯（びわこ）も優勝した。すでに当時は大ギアブームに突入していたが、そんな中でも渡辺は３・５７を使用。仕掛けた新田康仁（静岡）後位から、内へ切り込んで鋭く伸びてＶ奪取。軽いギアの特性を生かしたレースだった。
　あれから７年。今年７月で４２歳になるベテランだが、ギア規制で再び追い風が吹いてきた。よみがえった切れ味と、培った勝負勘を武器にして、再び栄光のゴールを目指す。