広島が若手選手を大量起用 数カ前の2軍オーダー?岡義朗氏「消化ゲームを有効に使えるかどうか」

 「ヤクルト11-1広島」(26日、神宮球場)

 すでにBクラスが決まっている広島が巨人戦に続いて中堅、若手を大量起用した。オーダーからは小園やファビアンも外す徹底ぶり。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「最近では少なくなった消化ゲームの使い方」に注目し、新しい力の発掘に期待した。

 広島の先発メンバーは次のとおり

1 右翼 中村奨

2 中堅 大盛

3 三塁 佐々木

4 左翼 末包

5 一塁 林

6 遊撃 矢野

7 二塁 佐藤

8 捕手 石原

9 投手 床田

 広島はこのところ1、2軍の選手を大幅に入れ替え、残りの試合を使って若手の能力評価を行い、来季の戦力として見極めようとしている。

 試される選手にとっては大事なアピールの場となるだけに「なぜ自分が今、起用され、何をしなければいけないのか」をよく考えてプレーしなければいけない。

 例年、順位争いが最後まで続くだけに若手の出番は限られるが、残念ながらすでにBクラスが決まったとなれば、消化ゲームを有効利用するしかないからね。

 試合は10勝がかかっていた床田の大乱調で一方的なものになったが、そんな中でも明るい材料がいくつかあった。

 先発出場した佐藤と途中出場の内田だ。二人の打撃には“バットを振り切ることができる”という共通点がある。

 代打からの出場で右線二塁打と左前打の2安打を放った内田は、タイミングをずらされても自分のスイングができていたし、ヘッドが走っていた。

 一塁への強襲安打で初打点を記録した佐藤は、追い込まれても自分のポイントで打っていたのが印象的だ。九回は中飛に倒れたが、ファウルで粘っている間は、すべてのボールに対してしっかりアプローチしていた。

 最初の打席で変化球に対応しきれず、三振していた佐々木は次の打席の初球、その変化球を狙い打ってヒットにした。

 八回の4打席目は初球の高めボール球に手を出し併殺打に倒れた。思い切りのよさが長所なのは分かるが、ボールの見極めも大事。打ちに行ってやめる。これも技術のうちだからだ。これは反省材料。

 春季キャンプのときにこの3人が内野を守り、3人ともエラーをしていた。しかし、担当コーチから「3人ともバッティングがいいんですよ」と言われたんで期待していたんだけどね。カープには若くていい人材がいるということだ。

 先発マスクをかぶった石原には耳の痛い話になるかもしれないが、大量失点した床田の乱調は、自分のリードにもその責任の一端があると思わなければダメ。

 床田の首の振り方やマウンドでの仕草に、ちょっとした“イラつき”が感じられた。本人の不調が一番の原因だろうが、3回をもたずに10安打で7失点など考えられない。それもバットの芯でガンガン捉えられていたからね。

 だが、それも経験。投手では滝田や菊地、常広が登板した。いい結果、悪い結果、それらすべてを来年への肥やしにしてほしい。

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