広島・高橋大 途中出場で2打席連発 誠也と同期の8年目「崖っぷち」

 「オープン戦、広島8-2中日」(1日、ナゴヤドーム)

 左翼方向へ上がった白球を、広島・高橋大は目で追った。滞空時間の長い打球は、誰もいない観客席で大きく弾んだ。「追い込まれていたので何とか前に飛ばしたいと思った」。広いナゴヤドームでかけたアーチ。途中出場で2打席連続本塁打となる2ランだ。

 野間が中前適時打を放って迎えた九回1死一塁。2ストライクから藤嶋が投じた真ん中低めへの直球を振り抜いた。七回1死でも育成・ロドリゲスの初球152キロを左翼席へ運んだ。この日は2打席計4球を全てスイング。積極的な姿勢で結果につなげた。

 龍谷大平安からドラフト1位で入団し、8年目を迎える。「崖っぷち」と強い危機感を抱く長距離砲は、春季キャンプから評価を上げてきた。直球への強さに加え、変化球への対応力も身に付け始めた。何より初球からフルスイングできるのが大きな魅力だ。

 朝山打撃コーチは「初球から振れる。振っていけるから打つ確率が高くなる」と説明。続けて「すごく良いものを見せてくれている」と評価した。激しい外野争いの中、開幕1軍入りへまた一歩前進した。

 「これからも持ち味を出していきたい。開幕1軍に残れるように頑張っていきます」。背番号「50」は、手綱を締めてバスに乗り込んだ。強く、そして鋭くバットを振り続ける先に3・20のグラウンドが待っている。

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