アドゥワ今年もオレ流調整 今オフ2度目ブルペンやっと捕手座らせ102球
広島・アドゥワ誠投手(20)が26日、宮崎県日南市内での先乗り自主トレで2日連続2度目となるブルペン入りし、このオフ初めて捕手を座らせて102球を投じた。決して多くはない投球練習で自己流調整をしてきた3年目。昨季ブレークした右腕は昨年のスタイルを崩さない不動心で、より高みを目指す。
天福球場の室内ブルペンで、アドゥワは黙々と長い腕を振り続けた。このオフ初めて捕手を座らせ、直球に持ち球のカーブとチェンジアップを交えていきなり102球。「リリースを意識して。座ってと立って投げるのでは腕の張りが違う。一回張らせることが目的。時間もないので」と説明した。
前日に捕手を立たせて30球を投げたのがこのオフ初ブルペンと、回数は少ない自己流調整。昨年も先乗り自主トレ中が初ブルペンで「去年もそうだったので変わりはない。感覚はすぐ戻るので」と言う。1軍デビューを飾った昨季は中継ぎとして53試合に登板し、プロ初勝利を含む6勝2敗、防御率3・74。リーグ3連覇に貢献したオフの進め方が軸だ。
昨年の疲労はないといい、オフは体力を維持するために主にウエートトレや走り込みで体を作ってきた。ブルペン投球が少なくても、この日受けた松本ブルペン捕手は「抜けた球もあったけど、いい回転だった」と語り、調整の問題もない。
新シーズン。相手の研究もある中、1軍戦力となった昨季からの、“2年目のジンクス”を打破していく年ともなる。そのためにも「(昨年は)抜けた球が全部打たれていた。低めに投げきれる球を増やすしかない」と、より制球力を高めることが鍵と説いた。
今季は先発スタートとなる方向だが、球種も現存の球を磨いていく。昨秋は新球種の習得も視野に入れていたが、「まず今の球種の精度を高めてから。中途半端で投げるのは良くない」。特に課題はカーブで、「空振りを取るのかストライクを取るのか、投げ分けられたら」とリリースポイントに試行錯誤を重ねながら、自在に操る精度を身につける。
春季キャンプが迫る中、今後はウエートトレを行いつつ、状態を見ながら効果的なブルペン入りを模索していく。「やっていかないといけない」とアドゥワ。昨年以上の貢献をしていくためにも、己を貫きキャンプから光を放っていく。




