阪神 糸井嘉男氏が考える連覇のキーマンは? 若手台頭も必須、ドラ1立石との相乗効果期待
阪神、オリックス、日本ハムで活躍し、今春の阪神キャンプで臨時コーチも務めたデイリースポーツ評論家・糸井嘉男氏(44)の「超人目線」。今回は来季、球団史上初となるリーグ連覇のキーマンを解説。前川、高寺の奮起に期待しつつ「出てこいニュースター!!」と、V条件に若手の台頭を挙げ期待した。また、9日に死去した高代延博さんを追悼し、13年・WBCでの思い出や阪神時代の感謝を語った。
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つかの間のオフに入りました。ハワイ優勝旅行も始まりますが、伊藤将選手や前川選手ら、中には返上で練習時間に充てる選手もいるようです。今年の悔しさからでしょう。気持ちはすごく理解できますね。球団として史上初のリーグ連覇を狙う来シーズン、野手のキーマンはまず前川選手、高寺選手だと考えます。
今秋のドラフトでは3球団競合で、立石選手の獲得に成功しました。まだ映像で見ただけですが、「これはやるだろうな」と分かる選手ですね。
技術的には逆方向にしっかりと振れるし、打球も飛ぶ。打撃フォームがすでに卓越しています。無駄のない、少ない動作で、あの飛距離はすごいです。プロの投手が相手になるので多少、経験は必要ですが、いずれ主軸になるのは間違いないと思わせる選手でしょう。
当然、チームにとって戦力アップですが、立石選手のようなスター候補生の加入は、ただ一人の戦力として意味があるだけではありません。来年は、タイガースが常勝軍団として勝ち続けるために、分岐点となりそうな1年。今いる選手が「このままやったらアカン」となるのか、監督、コーチが「やっぱり立石くんだな」となるのか。相乗効果を期待しています。
特に固定できていない遊撃、左翼では前川選手、高寺選手の活躍もありましたが、やはり伸び悩んだ印象です。前川選手には秋季キャンプでも伝えましたが、あれだけのポテンシャルを持っているのに「あの成績はアカンぞ」と。内角が見えない、さばきにくい…という悩みも聞いたので、「自分から見えにくくしているな」と少しアドバイスもしました。本人も理解していますし、修正しようと取り組んでいます。
プロ野球人生でこのオフ期間は、すごく伸びる可能性がある時期です。「いかにやり込むか」とも伝えましたが、立石選手に待ったをかける存在だと信じています。ただ、そんな2人だけではありません。臨時コーチとして若い選手を指導し、すごく可能性を秘めた選手が多いと感じました。嶋村選手や、野手コンバートの西純選手…急激に伸びてくる選手が出ると確信しています。出てこい、ニュースター!!。
最後になりますが、今月9日に亡くなった高代さんに、感謝の言葉を伝えさせてください。忘れもしない、2013年のWBC。初めて高代さんと同じチームで、一緒に世界と戦いました。グラウンドでは三塁ベースコーチとして、あの名シーン…二塁から全速力でホームにかえろうとした私を、身体を投げ出して倒れ込んで制止させました。
「日本一のベースコーチ」と言われた姿を目の当たりにしましたが、あの判断力を生む準備、経験が超越した素晴らしい方でした。ノックの技術も群を抜いていました。また、グラウンドを離れても選手と首脳陣のいい架け橋となっていただくなど、いつも人の事を考えている人でした。本当に感謝しかありません。ご冥福をお祈り致します。
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