【中田良弘氏の眼】シーズンで見せた本来の戦い方ができなかった阪神 流れ変えた2戦目デュプランティエ先発 投手陣は内角攻めできず
「SMBC日本シリーズ2025、阪神2-3ソフトバンク」(30日、甲子園球場)
第5戦が行われ、阪神は延長十一回の激闘の末に2-3で敗れ、対戦成績1勝4敗で2年ぶりの日本一を逃した。佐藤輝明内野手(26)が五回に日本シリーズ史上初となる5試合連続適時打をマークするなど主導権を握ったが、八回に石井が柳田に同点2ランを浴びて57試合ぶりの失点。十一回は5番手・村上が野村に勝ち越しソロを浴びた。デイリースポーツ評論家の中田良弘氏は「ターニングポイントは2戦目」と指摘した。
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終わってみれば、ソフトバンクの4勝1敗。伸び伸びと戦っていたソフトバンクに対し、阪神はシーズンで見せた本来の戦い方ができなかった。
ターニングポイントは2戦目。コンディション不良で登板間隔が空いていたデュプランティエを先発させ、相手打線を勢いづかせてしまった。この大舞台でいきなり復帰して、いい結果を出せという方が酷だろう。先勝しての2戦目は定石通り、才木の先発で良かったのではないか。なぜここで“奇策”に出たのか理解に苦しむところだ。
投手陣がシーズンで見せた、厳しい内角攻めができなかったことも敗因の一つだ。山川には3発許したが、いずれも内角を攻めきれず、甘く入った球を打たれた。この第5戦でも柳田に同点2ランを浴びた石井の球は外寄りだったし、野村に決勝ソロを打たれた村上も、内角で勝負する前に外の球を右翼スタンドにもっていかれた。
シーズンでは圧倒的な戦い方を見せたが、このシリーズでは投打ともに歯車が狂っていた。ベンチの選手起用も含めて、これが短期決戦の難しさでもあるのだろう。
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