阪神・工藤 フレッシュ球宴で160キロ台連発 増え続ける筋肉量 同郷の筋トレ師匠・石井に追いつけ追い越せ

 阪神2軍の注目選手を取り上げる企画「飛び出せ大物」。第8回は工藤泰成投手(23)を取り上げる。7月20日に行われた「レクザム フレッシュオールスターゲーム」では木下の代わりに追加選出され、最速161キロを記録したように、威力抜群の剛速球が魅力だ。ただ、6月5日に降格して以降、昇格の機会に恵まれていない。1軍定着に向け、努力を続ける剛腕ルーキーの現在地に迫る。

 パンパンのユニホームがはち切れそうなほど、筋骨隆々な体格。その剛腕から放たれる「マッスルストレート」は多くの虎党をとりこにした。7月20日に丸亀で行われた「レクザム フレッシュオールスターゲーム」に登板した工藤は衝撃の投球を見せた。直球の最速は161キロで160キロ台は5度計測した。

 剛速球を放つことができる理由の一つは筋肉にある。入団時からSNSを中心に大きな話題を呼んでいたボディービルダー並みの体格は、現在も進化を続けている。

 「バランスが良い食事を摂れているので、夏でも体重を落とさずにいられます」

 口にするものにも気を使い、ウエートトレーニングも欠かさずに行う。体重は1月の80キロに比べて、現在83キロと約3キロ増加。さらに筋肉量は約2キロ増加とプロ入り後も筋肉が増え続けている。「短時間で良いスケジュールでやれている」と効率重視でさらなるパンプアップをもくろむ。

 速球は大きな武器となるが、ウイークポイントは制球力。ウエスタンではここまで20回1/3を投げ、与四死球は19と課題だ。これについては「ボールが先行すると、ストライクを入れないとと思う気持ちが出てしまって、フォームが小さくなって崩れることがある」と分析。電撃的に支配下登録が決まった3月は自信を持って堂々と投げていた。壁を越えて再び1軍へと戻りたい。

 そのためにまずは基礎から鍛えていく。「カウントを良くするためにいかにファウルを取れるかが大事。まずは体全体を使って投げることを覚えたい」。投球以前に体の使い方。どっしりとした下半身の力を腕に伝えることでボールに力が入り、フォームが固まって制球力も定まる。初心に返って土台を固めていく。

 久保田2軍投手チーフコーチは「フォアボールを出さないこと。(出した後)反省できるかどうか。そういうところの意識と考え方じゃないですか」と厳しい目線で右腕を評価する。

 17日の巨人戦(東京ド)。同郷で、筋トレ好きの師匠である石井が40試合連続無失点の日本記録を樹立した。工藤にとっても憧れの先輩の姿は頼もしく映った。「いろいろ聞きたい。決める球がちゃんと低めに制球されていたり、真っすぐが、明らかにバッターが差されている」。直球の威力も制球力も、学ぶことばかりだ。「本当に理想ですよね」。タイプは違うが、教科書のような先輩が近くにいる。背中を追って、いつか追いつくためにも、工藤は歩みを止めない。

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