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「大相撲夏場所7日目」(12日、両国国技館)
涙の初金星だ。平幕の豊響(27)=境川=が横綱白鵬を小手投げで撃破する番狂わせを起こし、初金星を挙げた。同門の妙義龍は寄り切りで大関琴奨菊に初黒星をつけ、関脇豪栄道は外掛けで大関把瑠都に2つめの黒星をつけた。今場所初の満員御礼となった多くのファンの前で、境川部屋勢が上位陣を3連破した。優勝争いは琴奨菊、稀勢の里、鶴竜の大関陣と平幕の栃煌山と宝富士が1敗で首位を並走。横綱白鵬、大関把瑠都らが2敗で追う混戦となった。
武骨な男が泣いていた。豊響は行司差し違えで初の金星を獲得。正面の土俵下で見つめていた審判部の師匠、境川親方(元小結両国)の顔を見た瞬間、涙があふれ出た。「親方の顔を見たら…。ここまで育ててもらった。負けて悔し涙はあるけど、勝って泣くのは初めて」と感極まった。それを見た境川親方も思わずもらい泣きした。
立ち合いから白鵬にもろ差しを許し、一気に土俵際へ。それでも捨て身の右小手投げで横綱を裏返しにした。物言いの末に逆転の大番狂わせ。「土俵際に追い込まれてからは覚えていない。信じられない。夢みたい」。乱れ飛ぶ座布団を「テレビで見た光景だな」と静かに振り返った。
取組前に同門の妙義龍、豪栄道が大関を連破し「気合が入った」と心を決めた。これで今場所は3人合わせ横綱に1勝、大関に8勝。境川親方は「鬼は泣かないです」と平静を取り戻し、部屋の快進撃を「年も近いし、最近妙義龍が番付を上げ、刺激になっている」と感慨深げに話した。
白鵬からの金星は、10年九州場所2日目で稀勢の里(現大関)が連勝記録を63で止めて以来。豊響は響高校(山口)で活躍後、一時は一般職に就いたが夢が断ち切れず境川部屋に入門。05年1月初土俵で順調に番付を駆け上がったが、網膜剥離や肺炎を患い足踏みを繰り返した。27歳の苦労人は「自信になった。3人一緒に部屋を盛り上げていきたい」と、今後を見据えた。
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