「大相撲名古屋場所」（８日初日、愛知県体育館）

　大相撲名古屋場所の初日を翌日に控えた７日、会場の愛知県体育館で土俵祭りが行われ、協会理事や三役以上の力士らが出席し、１５日間の無事が祈願された。初日に横綱白鵬に挑戦する小結豊ノ島（２９）＝時津風＝は、６日に第１子となる長女が誕生したことを明かし「ミルク代を稼ぐ」と誓った。

　新米パパが言葉に力を込めた。豊ノ島は「しっかりミルク代を稼がないといけないな。明日勝ったら一番の稼ぎ。ミルク代が楽になる」とキッパリ。初日の相手は横綱白鵬。３０本以上の懸賞を奪取するつもりだ。

　昨年２月に結婚した沙帆夫人（３１）が６日、富山県内の病院で第１子となる３３７０グラムの長女を出産。母子ともに健康で「うれしいですね。かわいくてたまらん。親ばかになりそう」と豊ノ島。テレビ電話でしか姿を見ていないが「いつか誰かの嫁にいってしまうのかと、もう考えてしまう。相撲取りが相手？自分より番付が上ならね」と親ばかぶりを発揮。表情は緩みっぱなしだった。

　白鵬とは先場所も対戦し、右を差され追い込まれたが首投げで逆転勝ち。「横綱の相撲。自分の形ではなかった」と謙虚に振り返り、慢心はない。自己最高位は関脇で、身長１６９センチながら大関も狙える実力者だ。

　家族との対面は場所後になる。「嫁や娘にみっともない姿は見せられない。頑張りたい」。力強い口調に、父親の覚悟がにじみ出ていた。