「北中米W杯・1次リーグF組、日本代表4-0チュニジア代表」(20日、モンテレイ)
日本代表はチュニジアとの1次リーグF組第2戦にFW上田綺世(27)=フェイエノールト=の2得点などで4-0と完勝した。W杯での日本の4得点は最多。第1戦に引き分けた日本は今大会初勝利で勝ち点4とし、3大会連続の決勝トーナメント進出へ大きく前進した。チュニジア戦は1930年の第1回大会からW杯通算1000試合目。節目の試合を白星で飾った日本は、25日午後6時(日本時間26日午前8時)からのF組最終戦でスウェーデンに勝つか引き分け以上で1次リーグ突破が決まる。負けた場合でも他試合の結果次第で勝ち上がる。
弾丸のようなシュートがゴールネット左に突き刺さった。エース上田は待望のW杯初ゴールに両手で顔を覆い、口の前で手を合わせて天を仰ぐ恒例のパフォーマンス。5万人超の大歓声をかみしめるように受け止めると、誇らしげに背番号「18」を見せつけた。
「今まで自分が決めてきたゴールとは喜びも達成感も自分が背負うものも違った。そういう点で全く違う感覚だった」
1-0の前半31分、ゴール前でパスを受けると、右で猛然と駆け上がっていた伊東を使わず、右足を振り抜いた。「自分でシュートを打つと決めていた。だから純也くんはおとりにさせてもらいました」。ストライカーの生きざまを見せつけるかのような一撃だった。
波に乗ったエースは止まらない。3点リードの後半38分には右からの佐野のクロスに頭で合わせて2点目。W杯では日本代表として初となる1試合複数得点に「それは考えていなかった」と笑みを浮かべ、「チームに必要なだけ点を取ることはFWの本質なので。少しは仕事ができたんじゃないかな」とうなずいた。
初出場の前回大会は敗れたコスタリカ戦の前半45分だけの出場に終わり「悔しがる権利もなかった」とうなだれた。23年からオランダ1部フェイエノールトで研さんを続け、今季は日本人初のオランダ得点王にまで成長。「自分が4年間感じた悔しさは同じ場所でしか拭えない」という思いが上田を動かし続けた。
その4年間は「長かった」と地道な道のりだった。それでも「僕の一番の原動力は家族」と、妻でモデルの由布菜月、そして先月誕生したばかりの第1子らの存在が支えになっている。この日も両親が日本から1万700キロ離れたモンテレイまで応援に駆けつけてくれたからこそ「期待に応えたい」と燃え上がった。
背番号18は憧れの父がつけてきた番号。志願し続け、昨年10月に夢がかなった。「自分がW杯に出ることと同じくらい、18番を背負っていることは意味のあること。その上で結果を残せてうれしい」。日本のエース、18番が歴史に名を刻んだ。
◇上田綺世(うえだ・あやせ)1998年8月28日、茨城県水戸市出身。鹿島学園高から法大に進学。3年時だった2019年6月の南米選手権で、大学生としては約10年ぶりとなるA代表入りを果たした。同大会のチリ戦で代表デビュー。同年7月に鹿島入りし、22年7月にセルクル・ブリュージュ(ベルギー)に完全移籍。23年8月にフェイエノールト(オランダ)に完全移籍した。東京五輪代表。182センチ、76キロ。