「明治安田J2、水戸2-0大分」(29日、ケーズデンキスタジアム水戸)
水戸が大分を2-0で下して勝ち点を70に伸ばし、優勝とクラブ初のJ1昇格を決めた。長崎は徳島と1-1で引き分けて同70とし、得失点差で2位。2018年以来のJ1復帰となる。千葉は今治に5-0で大勝して同69の3位、徳島は同65の4位。磐田は鳥栖に2-1で競り勝って同64で5位に浮上し、大宮は2-3で山口に敗れて同63の6位。12月7日のJ1昇格プレーオフ準決勝は千葉-大宮、徳島-磐田の顔合わせとなった。熊本は18位、山口は19位でJ3降格が決まった。
ついにJ1への扉をこじ開けた。水戸はホームでクラブ史上最多1万743人を集めた観衆と歓喜を分かち合い、主将のGK松原は「これからは“J2の番人”を卒業します」と声を張り上げた。2000年のJ2参入以来、昇降格がないまま迎えた26年目。悲願が成就した。
クラブOBの森監督の下で対人形式の練習を増やし、堅守速攻を磨き上げた。後半の先制点はGKのロングキックが起点。こぼれ球の競り合いを制して攻め込み、右を突破したMF斎藤のクロスを23歳のFW多田が押し込んだ。2点目は22歳のMF山本が決めた。
高卒2年目で20歳の斎藤は「伸び伸びと自分のプレーをさせてくれる」とチームの雰囲気を語る。水戸は2024年度の売上高がJ2平均を下回る。資金力はなくとも、若手を積極的に起用して成長させてきた。日本代表のFW前田(セルティック)、小川(NECナイメヘン)は水戸で飛躍のきっかけをつかんだ。
18年には廃校を利用した練習場とクラブハウスが完成した。トレーニング室は地元住民と共用。地域の公共財として、限られた資金の中で環境を整えた。
チーム名のホーリーホックは、エンブレムにも使われている徳川御三家の水戸藩の家紋である葵(あおい)の英訳。特定の親会社がなく、経営危機に陥ったこともあったが、市民の支えで乗り越えてきた。森監督は「来年はJ1で旋風を起こします」と力強く宣言。J1に新しい風を吹き込む。