30歳衝撃の最年長代表デビュー・ジャーメイン良 若林竹雄以来95年ぶり代表デビュー戦での4得点 W杯へ猛アピ
「東アジアE-1選手権、日本代表6-1香港代表」(8日、龍仁)
2大会連続3度目の優勝を狙う男子の日本は香港との初戦に6-1で大勝した。前半に代表初選出のMFジャーメイン良(30)=広島=がデビュー戦での歴代最多に並ぶ4得点を記録し、MF稲垣祥(33)=名古屋=もミドルシュートを決めた。後半は香港に1点を返されたが、FW中村草太(22)=広島=の得点で突き放した。世界ランキング15位の日本は同153位の香港に通算13勝5分け6敗となった。日本は全選手がJリーグのクラブに所属。大会は4チーム総当たりで争われ、12日に中国、15日に韓国と対戦する。3連覇を目指す女子の日本は9日に韓国の水原で台湾との初戦に臨む。
面白いようにゴールが決まる。30歳80日でA代表デビュー戦となった“遅咲き”のジャーメインが猛アピールだ。立て続けに得点を奪い、開始22分でハットトリックを達成。代表デビュー戦での4得点は1930年の若林竹雄以来95年ぶり。「自分の持ち味である爆発力が出た」と自画自賛の衝撃的活躍で確かな存在感を示した。
まずは開始早々の前半4分だ。MF相馬の鋭いクロスを胸トラップで収めると、左足での技ありボレーで先制ゴール。史上最年長での代表デビュー弾となった。同10分には再び相馬のクロスに、今度は頭で合わせて2点目。3-0の同22分にはゴール前でFW垣田のフリックに反応し左足で流し込んだ。わずか22分でのハットトリック劇に森保監督も「お~」という表情で拍手。笑顔で“森保メモ”に何かを記した。
今年30歳を迎えたジャーメインにとって胸に秘するものがあった。17年からプロの舞台でプレーするも伸び悩む時期が続き年齢を重ねた。それでも昨季J1磐田でリーグ3位タイとなる19得点を挙げてブレーク。今季から昨季2位の広島に移籍してつかんだ代表初招集に「特に数字(得点)はこだわっていた」と並々ならぬ思いで臨み、見事に結果を残した。
6月まで行われたW杯最終予選では、史上最速となる8大会連続のW杯出場を決めた第7戦までのスタメンは全て海外組。国内組が付け入る隙はなかった。それだけに“Jリーグ選抜”で挑む今大会は絶好のアピールの場。前回大会では海外クラブでのプレー経験がなかった町野(キール)と相馬がともに3ゴールで得点王に輝き、約4カ月後のW杯出場につなげていた。
海外組を脅かすような突出した結果を切望する森保監督は「ジャーメインは一番求めている得点という結果を出してくれた」と手放しでたたえた。海外強豪クラブの所属選手が多く、より狭き門になっている日の丸のユニホーム。生き残りをかけたアピール合戦で、まず1人が確かな爪痕を残した。
◇ジャーメイン良(じゃーめいん・りょう)1995年4月19日、神奈川県出身。流経大柏から流経大を経て、17年にJ1仙台に加入。横浜FC、磐田を経て今季から広島に加入。昨季はリーグ戦32試合に出場し19得点。今季リーグ戦は4得点。182センチ、82キロ。今大会が初の代表選出。




