大分7戦ぶり勝利でJ1残留に前進 「秋天の陽炎」の舞台で17年ぶりリーグ戦

 J1開催となる大分市営陸上競技場でバック芝生席に陣取るサポーター
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 「明治安田生命J1、大分2-1湘南」(14日、大分市営陸上競技場)

 3試合連続無得点が続いていた大分がJ1初開催となるかつての本拠地・大分市営陸上競技場で7試合ぶりの勝利を飾った。

 前半42分にFW三平和司がコースを突いたシュートで先制し、前半終了間際には相手のミスからカウンターを仕掛けて最後はFW伊佐耕平がヘッドで押し込んだ。負傷者が続く中、スタメンに抜てきされたFW2人が今季リーグ戦初ゴール。勝ち点を39まで積み上げ、目標とするJ1残留に大きく前進した。

 同会場でのJ1リーグ戦開催は今回が初。ホームスタジアムの昭和電工ドーム大分がラグビーW杯開催により使用できず、市営陸上競技場は収容人数などJ1基準を満たしていないが、特例としてこの試合と28日の磐田の開催が認められた。

 別府大分毎日マラソンのゴール地点としても知られる同競技場は、1994年に発足した大分(当時は大分トリニティ)の本拠地として使用されてきた。中でも有名なのは99年11月21日に開催されたJ2最終節・山形戦になる。この試合に90分以内で勝てば悲願のJ1初昇格が決まる大分が後半ロスタイムに同点弾を決められて劇的な形で夢破れた一戦は、金子達仁氏のノンフィクション「秋天の陽炎」でも知られる。また同競技場の場所から「舞鶴橋の悲劇」としても語られる一戦となっている。

 02年のW杯日韓大会を前にドームが完成し、クラブがJ1に初昇格した03年以降は同競技場ではリーグ戦は行われていない。最後のリーグ戦開催はJ2時代の02年。今回、17年ぶりにサポーターの声援が轟いた。

 集まった観客は9152人。ホーム側スタンド以外は座席はなく、芝生での“自由席”に陣取って声援を送る。本格的な電光掲示板はなく、ボードにより、得点や出場メンバーが伝えられるなど懐かしさを覚えるスタイルがよみがえった。正念場の一戦で、J3に降格した16年などクラブの苦しい時期をも知る三平と伊佐のゴールにサポーターの歓声が爆発した。

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