ハリル監督は驚きと怒り「満足ではない、何でこの時期に…」選手との信頼関係薄れる

 日本サッカー協会は9日、都内で会見し、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)を解任し、後任に、96年アトランタ五輪代表を率い、ブラジルを撃破する“マイアミの奇跡”を演出した西野朗技術委員長(63)が就任したと発表した。

 フランス時間の4月7日午後6時(日本時間8日午前1時)、ハリルホジッチ監督はパリ市内のホテルで田嶋会長と向かい合っていた。そこでクビを通達された。田嶋会長によると、指揮官は大きな驚きとともに、志半ばでチームを去らざるを得ないことへの怒りの感情があったという。

 「まさか、このことを言われるとは、ということで動揺も怒りもあったのは事実。『満足ではない、何でこの時期に…』ということも言っていたが、少しでも日本が勝てるようにしたいから、この決断に至ったと伝えた」。田嶋会長は、解任を通告したときの状況をこう振り返った。

 解任理由とされるのが、選手との溝。同会長は「(国際親善試合の)マリ戦(3月23日)とウクライナ戦(同27日)の後に、選手とのコミュニケーションや信頼関係が薄れたことと、今までのことを総合的に評価して結論に達した」と説明。その上で「最後までハリルホジッチ監督のチームがぐっと固まるように3月(の遠征時)も努力したが、残念ながらできなかった」とW杯直前の解任を決めた。

 伏線はあった。チーム全体として低調なプレーに終始し、1-1に終わったマリ戦後。ベルギー・リエージュ市内の宿舎にあった指揮官の部屋を、主将のMF長谷部が訪れた。試合時の戦術について、選手側の意見をまとめて持ってきたミーティングだったが、それとともにハリルホジッチ監督に伝えられたのが「選手たちからの求心力がない」という事実だった。

 続く、ウクライナ戦の前日会見では「スタッフの中には外国人もいるが、私たちも日本人の気持ちで挑んでいるので、そのように扱ってほしい」と訴えるほどの重い事実。選手との関係は、完全に冷え切っていた。

 指揮官と共に、ボヌベー・コーチ、モワンヌ・フィジカルコーチ、ルグシッチGKコーチとの契約も解除した。15年3月13日の就任会見から1121日。ハリルジャパンの挑戦は、未完のまま終わりを迎えた。

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