日本サッカー協会の田嶋幸三会長（６０）が９日、都内のＪＦＡハウスで会見を開き、日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督（６５）の４月７日付けでの解任を正式に発表した。後任として西野朗技術委員長（６３）が監督に就くことも発表された。解任に至る経緯など会見での田嶋会長の質疑応答は以下の通り。

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　－ベルギー遠征後、このような結論に至った経緯は。

　「私達はどの監督であったとしても常に様々なことが起こることを想定して、様々なこと考えた上で議論しています。この契約解除というような最終的なことに至るまでには、Ｗ杯予選を突破した後、その前も様々な議論してきました。西野技術委員長とも議論し、岡田副会長とも議論しながら、このチームが最善の方向に行くことをサポートしてきました。その中でウクライナ戦、マリ戦、このベルギー遠征はＷ杯に向けて重要な遠征でした。それにもっとハリルホジッチジャパンが立ち直るいい方向に行くきっかけにしたいということで、西野技術委員長は最後までハリルホジッチジャパンをサポートすべく努力していたのは、みなさんもご存知の通りです。申し上げたコミュニケーションや信頼関係という部分がマリ戦、ウクライナ戦の後にそれが出てきてしまったことそれが最終的なきっかになったことは事実です。そして西野監督は先週、日本サッカー協会の理事、技術委員長、Ｊリーグの理事も辞任されました。そして、そして私が西野監督をこの緊急の状況として、技術委員長だった西野氏を監督として選びました。どのようなスタッフにするのかは監督に一任しているところです」

　－ハリルホジッチ監督にはこの事実をどう伝えたのか。

　「４月７日、フランス時間の１８時にパリのホテルで直接会いました。今まで彼とは多くのミーティングをしてきましたが、みなさんからの様々な報道にすごく敏感な人でその度に私とは話をしてきました。その時に僕が彼に言ったのは随分前ですけども、“メディアからハリルホジッチさん、あなたにそういう解任という情報を伝えるつもりは一切ない。私が直接言います”ということをその時に申し上げました。そういう意味でも、法務関係の方とちゃんと話した上でフランスに向かった訳ですが、“紙一枚でも構わない”とも言われましたが、先ほども申し上げたように、彼が本当に必死になって日本代表を強くしようとし、そしてＷ杯の出場権を獲得した実績も考慮し、私は礼を尽くし、直接言うことを選びました。直接言った時の状況で言えば、びっくりしているというのが、僕の印象です。まさか、このことを言われるとは…と、多少動揺もしていたし、怒りもあったし、どうしてなんだ？と聞かれたのも事実です。ただ、あれがあった、これがあった、何があったということを羅列するつもりはありませんでした。事実として契約を解除するということを伝え、もちろん選手とのコミュニケーションが足りないとはお伝えしました。総合的なことがあることも事実ですが、辞めてめて頂く方に傷付けるというよりは、私達はしっかりと線を引いたということをお伝えすることが大事だと思い、今のようなことを伝えました。彼としては満足ではない、なんでこの時期にとはおっしゃいましたが、私としてはそれをしっかりと彼に伝え、少しでも日本が勝てるようにしたいという気持ちからこの決断に至ったと彼に伝えました」

　－ハリルホジッチ監督の戦術に可能性を感じていた選手もいたことも事実だと思うが、ポジティブな要素と不安要素のバランスがなぜ崩れたのか。

　「もちろん様々な意見があって、私達はみなさま以上にその状況を把握している。予選を突破する前から把握しながらやってきて、そのコミュニケーションとか、信頼する選手とか、こうあったものが段々、逆転してしまったのは、マリ、ウクライナ戦だと認識しています」

　－コミュニケーションの溝がそこまで溝が深まる前に、協会や西野技術委員長の対応ができなかったのか、そこはどう評価しているのか？

　「西野技術委員長のみならず、スタッフがこういう状況を打開しようとか、新たな方法を取り入れようとか、議論してきたと報告を受けています。努力をしてきたのも事実ですし、ハリルホジッチ監督がしっかりとそれを自分の方法であるということをおっしゃられていたのも事実です。いろんな繰り返しがあったけれども残念ながらそこをしっかりと埋めるまでには至らなかった。それができなかったのは事実として認めますが、実際にそれはトライしてきたことは間違いないこと」