鹿島 5連勝でVへ独走態勢! DF植田がハリル監督の前でロスタイム弾

 「明治安田生命J1、鹿島2-1G大阪」(23日、カシマサッカースタジアム)

 首位の鹿島は日本代表DF植田直通(22)の決勝ゴールでG大阪に2-1で逆転勝ちし、5連勝で勝ち点を61に伸ばした。2位川崎は神戸と0-0の引き分けにとどまり、同53で鹿島との差が8に広がった。3位の柏はFC東京に4-1と大勝し、9戦負けなしで同53。C大阪は仙台に1-4で大敗した。

 引き分け寸前だった。後半47分、鹿島が得た右CK。MF永木がボールをセットする。ベンチからFW土居が、ゴール裏のサポーターを扇動した。呼応するように、この日最高潮のコールが起こった。大声援に乗って、決勝点は生まれた。

 永木から放たれたCKは、走り込んだDF植田が絶妙なタイミングで、頭で合わせた。GK東口の腕をかすめてゴールに決まる。殊勲者を中心に幾重にも歓喜の輪が広がった。直後のヒーローインタビュー。第一声は「最高でーす」。その声はすっかりかれていた。

 「CKになって上がって行く中で気合が入った。決めてやる強い気持ちだった。手拍子が広がってきて、かなり熱くなった。テンションが上がった」。

 大きな1点となった今季2得点目、通算3得点目を、そう振り返った。この日は日本代表のハリルホジッチ監督も視察に訪れた。「いつも代表に行っても試合に出られない。成長しないといけない」。描く夢へ、ソツのない守備も含めてアピールした。

 2位川崎が引き分けて勝ち点差は8。カウントダウンの音が聞こえ始めた。鈴木満取締役強化部長は「引き分けで終わるのと勝ちきるのでは全然違う」と目を細めた。そして「優勝するときの雰囲気になってきた」。常勝を築いた人物は手応えを感じ取っていた。

 「たくさんサポーターに来ていただいて、かなり声を出さないといけなかった」。かれきった声で植田は言う。「それを上回るくらい、声援が力になった」。その視界には、頂点がくっきり見えている。

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