祝50歳!カズ 誕生日星 2年ぶり開幕先発&勝利で花添えた

 後半、シュートを放つ横浜FC・三浦
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 「明治安田生命J2、横浜FC1-0松本」(26日、ニッパツ三ツ沢球技場)

 J2開幕日である26日、50歳の誕生日を迎えた横浜FCの元日本代表FW三浦知良が松本戦(ニッパツ)に先発出場し、自身が持つJリーグの最年長出場記録を更新した。65分間プレーしてシュート1本を放つなど、2トップの一角として1-0勝利に貢献。日本サッカー界をけん引してきたレジェンドは試合後、「60歳まで頑張りたい」と笑顔を浮かべて、前を見据えた。

 駆けつけた1万3244人のサポーターからスタンディングオベーションを受けながらベンチへと下がるカズの表情は、どこか悔しげに見えた。50歳のJリーガー。そんな奇跡のような存在となっても「みんなゴールを期待してくれていると思うので、それに向けて努力したいね」と語る。カズの心は若き日と大きく変わってはいなかった。

 開幕戦での先発出場は15年以来、2年ぶり。前半6分、CKの守備でヘディングクリアをしてファーストタッチをすると、ピッチ上を駆け回りながら献身的な守備にも奔走。1点リードの同34分には右クロスに飛び込み、後半12分には右足でシュートも放った。時には両手をたたき味方を鼓舞。後半20分に交代するまでの65分間、カズはいつもと同じように全力だった。

 50歳の誕生日当日が開幕戦に当たるという運命。試合前からサポーターの『50歳の誕生日おめでとう』といった声援や『一生現役』と書かれた応援フラッグに「涙が出そうになりました」と心を揺さぶられた。ただ「試合の日として考えていて、そこがたまたま誕生日だったと。誕生日だからではなく、2月26日にある試合に勝ちたかった」と開幕勝利だけを求めていた。

 年を重ねるごとに“練習のための準備”に割く時間は長くなっていく。カズ自身「毎日、(100%の)練習を続けていくのは本当に大変になった」とも言う。徹底した節制に加え、きめ細かいケア。純度の高い日常を続ける作業は、決して簡単ではない。「サッカーが好きだからでしょうね。子供のころから、サッカーしかやってないですから。サッカーに感謝をしています」と語るカズは、試合後に「あらためて60歳まで頑張りたい」とリップサービスをしつつも「体と情熱が続く限りはやりたい。先のことは考えず、まずは明日の練習をしっかりやること。今はそれを積み上げていくことしかできない」と話した。

 カズの根幹にある、サッカー人としての姿勢。「目の前の試合で点を取りたいし、1秒でも長く出ていたいという気持ち。体力的なところは落ちてきていますが、技術とかグラウンド上の駆け引きなんかは経験で補える部分もある。そういう意味では、ゴールを取ることに対しては伸びしろがあると思う」。果てしなき高みを求道(ぐどう)するキングは、明日もまた、走り続ける。

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