ラモス岐阜誕生、J1昇格へ無制限支援

 J2のFC岐阜が生まれ変わる。25日、岐阜市内でクラブと県政財界との意見交換会があり、懸案となっていた1億4000万円の債務超過が解消されることを確認された。これで新監督就任に合意していたビーチサッカー日本代表のラモス瑠偉監督(56)の誕生が決定。さらに岐阜市出身で事実上のオーナーとなるJトラスト株式会社の藤沢社長から無制限の強化費用の支援を受けられることとなり、近い将来のJ1昇格に向けたチーム作りができることになった。

 03年、多額の負債を抱えたチェルシーにロシアの大富豪アブラモビッチさんがやってきたことで、英プレミアリーグの勢力図は一変した。同じことが、FC岐阜で起こる。資金難で存続の危機に瀕していたFC岐阜が、強力な支援を背にJ1昇格を現実的な目標とするクラブに生まれ変わる。意見交換会を終えた薫田社長は「ようやく本当に新しいFC岐阜を作れる。記念すべき日になった」と喜んだ。

 意見交換会に先立つ24日、地元での債務超過解消を支援の条件としていた藤沢社長と、債権を持つ十六銀行が協議。ここで債務超過解消の具体的な方法を十六銀行側が提案したことで、大勢は決した。意見交換会ではこれまでFC岐阜を支えてきた岐阜財界も状況を容認。2社だけに任せず、FC岐阜を引き続き支えていくこととなった。

 これで、ラモス体制が一気に動きだす。クラブはすぐに正式オファーを出し、近日中に契約がまとまる見込みだ。さらに藤沢社長はクラブに対し、「単年度ではなく経常的に支援していく」と約束。来季に向けた強化費についても「5~10億円くらいつぎ込みましょうか。とにかく足りない分は出します」と提案し、選手編成に応じて支援額を決めることになった。

 いわば、打ち出の小づちを渡されたようなもの。薫田社長は「近い将来のJ1昇格、まずは来季10位」という目標を設定し、これを実現できる選手編成を進めることとなった。その第1弾が、J2栃木を退団する元日本代表MF三都主だ。12年まで名古屋グランパスに所属した三都主とはすでに水面下で合意しており、ラモス監督就任と同時に発表される見込みだ。

 もちろん、危機から一転して資金豊富な状況になったことで、足元を見失っては元も子もない。薫田社長は「まずは強いチームを作り、県民に愛され信頼されるクラブになることが最終目標」と語った。この幸運を、色モノではなく地に足を着けた発展につなげられるか。新生FC岐阜は、来季J2最注目チームとなる。

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