浦川大将さん死去 神足茂利さんに続き一興行で2選手が JBC緊急会見、ともに急性硬膜下血腫で開頭手術「原因調査、究明、対策進めたい」

 都内で取材に応じたJBCの萩原実コミッショナー
 都内で取材に応じたJBCの安河内剛本部事務局長
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 今月2日に東京・後楽園ホールで行われたボクシングの日本ライト級挑戦者決定8回戦に出場後、急性硬膜下血腫で緊急開頭手術を受けた浦川大将選手(帝拳)が9日午後10時31分に死去した。28歳。日本ボクシングコミッション(JBC)が10日、発表した。同じ興行で行われた東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦に出場後、急性硬膜下血腫で開頭手術を受けた神足茂利選手も8日夜に亡くなっており、2人が相次いで帰らぬ人となる異常事態に、JBCは同日、都内で緊急会見を開いた。

 ボクシング界に激震が走った。前夜に息を引き取った神足選手に続き、同じ興行に出場していた浦川選手も天国へ旅立った。JBCによれば、同一興行から2人が開頭手術を受けて亡くなった例はない。国内初の極めて異例の事態に、JBCの萩原実コミッショナーは「この1週間、回復を願って過ごしたが、今は言葉がない。今後、原因の調査、究明、対応策と取りかかれるものは早急に進めたい」と述べた。

 国内では、23年12月の日本バンタム級タイトル戦で判定負けした穴口一輝さんが試合直後に意識を失い、急性硬膜下血腫のため昨年2月に23歳でこの世を去った。また、今年5月24日には、IBF世界ミニマム級タイトルマッチで敗れた前王者・重岡銀次朗(25)=ワタナベ=が、試合後に急性硬膜下血腫で開頭手術を受けている。

 国内で競技を統括する立場としてJBCの安河内剛本部事務局長(64)は「管理者としての責任を痛感している」と沈痛な面持ち。前夜も浦川選手の入院先を訪問していたといい、「家族や関係者の悲しみに触れ、事の重大さは改めて認識している」と受け止めた。

 頻発するリング禍を受け、JBCは東洋太平洋タイトルマッチのラウンド数を10回戦に短縮するなど対応に着手している。また、原因の一つとして挙げられる過度な水抜きによる減量の影響を調査するため、大学や民間企業とも協力するという。12日には、ジム会長で構成する日本プロボクシング協会と会合を行い、安全対策に向けた減量法や課題などを協議する。安河内氏は「(業界)内外の皆さんとも協力して再発防止に取り組みたい」と語った。

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