JBC安河内剛本部事務局長 ボクシング2選手の死去で対応 頻発している異常事態に「管理者としての責任を痛感」
今月2日に東京・後楽園ホールで行われたプロボクシング興行に出場していた2選手が相次いで死去したことを受け、日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛本部事務局長(64)が10日、都内で取材に応じた。リング禍が頻発している異常事態に「われわれとしては、できる限りの管理をしていったという風に思っていますけど、こうして2名の選手が亡くなる悲劇が起きたということで、管理者としての責任を痛感しています」と神妙な表情で話した。
囲み取材にはJBCの萩原実理事長も同席し、「この1週間、回復を願って過ごして参りましたけど、かなわぬこととなり、今は言葉がないというところであります」と沈痛な面持ちで語った。
昨日も病院を訪れていたという安河内事務局長は「家族、関係者の悲しみに触れて、ことの重大さを改めて認識しました。この競技そもそも内包する危険性をどうやってなくしていくか、この100年ボクシングの歴史の中で先達たちがやってきたことを踏襲しながらアップデートしてやってきましたけれど、やはりこういう結果が起きたということは非常に重大だと思っています」と説明。ボクシング界内外から再発防止策に向けての協力意志が集まっているといい「みなさんと協力して再発防止に取り組みたい。非常に具体性のないことで大変申し訳ないんですけど、われわれの意志ということで受け取っていただければ」と、現状を報告した。
同興行では、日本ライト級挑戦者決定8回戦に出場し、試合後に急性硬膜下血腫で緊急開頭手術を受けていた浦川大将さん(帝拳)が9日午後10時31分に死去した。28歳だった。メインイベントの東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチに出場した神足茂利さん(M・T)も急性硬膜下血腫のため8日午後10時59分に28歳で亡くなっており、同一興行で救急搬送され、開頭手術を受けていた2人が相次いで帰らぬ人となった。
国内では、23年12月の日本バンタム級タイトル戦で判定負けした穴口一輝さんが試合直後に意識を失い、急性硬膜下血腫のため昨年2月に23歳でこの世を去った。また、今年5月24日には、IBF世界ミニマム級タイトルマッチで敗れた前王者・重岡銀次朗(25)=ワタナベ=が試合後に意識を失い、救急搬送。急性硬膜下血腫で開頭手術を受けた。
頻発するリング禍を受け、JBCは東洋太平洋タイトルマッチのラウンド数を短縮するなど、対応に追われている。





